Robert Sawatzky
2020年3月16日

世界的株価下落、大手エージェンシーグループも打撃

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、各国市場の下落が止まらない。先週、電通と博報堂の株価も続落した。

世界的株価下落、大手エージェンシーグループも打撃

数十年に一度という株価の暴落を受け、電通と博報堂の株価は先週金曜(13日)、再び下落した。電通株は始値8%、終値5.3%安。博報堂株はさらに大きな変動を示し、始値10%、終値4.3%安を記録した。

米国ではダウ平均株価が先週木曜、10%の下落。1987年の「ブランクマンデー」以来の大幅安となり、大手エージェンシーグループもその例外ではなかった。

ニューヨーク株式市場では同日、インターパブリック株が15.3%というこれまでで最大の下げ幅を記録。オムニコム株は大手エージェンシーグループで最も少ないながら、9.2%安。ロンドン株式市場ではWPP株が13.2%安、ユーロネクスト・パリではピュブリシスが15%安となり、株主を大きく落胆させた。

エネルギーや運輸、サービス関連企業の株価は最も深刻な打撃を受け、大手エージェンシーグループの株主の中には過去数カ月で保有株のほぼ半分の価値を失った者もいる。

過去3カ月におけるWPPとオムニコムの株価の推移(グーグルファイナンスより)

中でも電通とWPPの損失はこの数カ月で最も大きく、それぞれ45%、43%安。ピュブリシス、博報堂、インターパブリックは38〜9%安で、オムニコムは最も少ないながら、29%安だった。

過去3カ月における博報堂と電通の株価の推移(グーグルファイナンスより)

(文:ロバート・サワツキー 翻訳・編集:水野龍哉)

関連する記事

併せて読みたい

6 時間前

世界マーケティング短信:博報堂DYHDと博報堂のトップ交代発表

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

1 日前

業界が取り組むべき、気候変動対策とは

依然として環境アクティビストの対応に苦慮する大手エージェンシー。「最も有効な対策は、カーボンプライシングの重要性を訴えること」と気候問題の専門家は訴える。

1 日前

メタ、マスク氏、そして差し迫ったブランドセーフティの終焉

ブランドセーフティの時代が終焉を迎えつつある今、パブリッシャーと広告主はブランドスータビリティ(ブランド適合性)にもっと重点を置くべきだと、マンティスのフィオナ・サーモン氏は述べる。

2025年2月07日

世界マーケティング短信:懸念強まる米中の貿易摩擦

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。