Andreas Krasser
2024年11月28日

若手クリエイターへのメッセージ 「歩みはゆっくりでも大丈夫」

若手クリエイターの悲痛な告白に対し、エージェンシーのCEOが共感と、実用的で実行可能なアドバイスを寄せた。

Andreas Krasser, DDB
Andreas Krasser, DDB

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

編集者注:Campaignは先週、大手広告会社での苦しく辛い1年を赤裸々に記す若手クリエイターの匿名記事を掲載した。『誰も語らない、若手クリエイターの現実』と題された記事につづられた絶え間ない努力と挫折、そして期待が打ち砕かれる様子には胸が詰まる。多くの新人クリエイターが直面する苦痛そのものへの嘆きよりも、何度も容赦なく却下されながら暗黙のプレッシャーと戦うという、才能あふれる逸材でさえも押し潰すこの業界ならではの重圧を受け入れることに、精も根も尽き果てた様子だった。

DDBグループ香港のCEOを務めるアンドレアス・クラッサー氏が、この記事に「歩みはゆっくりでも大丈夫」という回答を寄せた。これは決してありきたりな意味ではない。生々しくリアルな、痛みを理解した上での共感であり、実用的で実行可能なアドバイスだ。


先週、Campaign『誰も語らない、若手クリエイターの現実』という匿名の意見記事が掲載された。これは若手クリエイターが1年間を振り返って失望したという、率直な回顧録だった。

私がキャリアの初期に感じていたことと重なる部分があり、心の琴線に触れる記事だった。ハングリー精神に満ち溢れていたにもかかわらず、注目されず見向きもされなかったことを思い出させてくれた。また自分自身が、注目されなかった存在から、注目しない存在へと変わってしまったのかとも考えさせられた。そこでこの匿名の若手クリエイター、そして同じような状況に置かれている人々の励みになればと、嘘偽りのない回答を書くことにした。

私たちの仕事がいかにロマンチックであるか、そして何度も失敗することで必要なレジリエンス(回復力)や貴重な教訓を学ぶことができるかといった、ありきたりの美辞麗句を書くつもりはない。現実的で、具体的なアクションに重点を置く内容になるよう努めたい。最初の幸せな期間が終わって困難に直面した際に、知っておきたかったことをいくつか挙げていく。

まず、リンクトイン(LinkedIn)の渦に巻き込まれないようにすること。リンクトインで人々は、自分が携わった仕事や関わらなかった仕事について自画自賛したり、「栄えある昇進」に「恐縮している」といった内容を拍手の絵文字と共に投稿する。こういったノイズの中に、本当に役立って考えさせられる有益なコンテンツも多少は存在するが、ほとんどは空虚な無駄話だ。私も自画自賛や、卑下しているようで自己アピールをするメッセージを投稿したことがある。私のリンクトインの投稿を見ると、今年は良いことばかりが起こった1年のように見えるかもしれない。確かに良い年ではあったが、非常に厳しい年でもあり、投稿から想像できるような1年ではなかった。

パフォーマンス評価のあり方についても、早急な対応が必要だ。明確で測定可能なKPIを提示するのは上司の仕事だ。上司が提示しない場合は、上司に尋ねるか、最悪の場合は自分自身でKPIを書いてクリエイティブディレクターに同意してもらおう。上司の仕事の一部をあなたが代行することになるが、KPIは一方的に割り当てられるものではない。 もしKPIにアワード受賞や、受賞に値するアイデアという条件が含まれているのであれば、上司はあなたに適切なブリーフを与え、適切なプロジェクトに参加させることで、達成する機会を確保する必要がある。

多少の健全な社内競争は活力を生むが、先輩クリエイターをライバルとみなすのではなく、彼らの意見を取り入れるようにしよう。先輩の知恵を借り、アドバイスを求め、メンターになってもらえるよう頼もう。何らかの理由でうまくいかない場合は、エージェンシーの外からメンターを見つけよう。自分の考えや疑問を率直に話し合うことができれば、頭がすっきりして軌道修正できるだろう。メンターになってもらう依頼は、最初のうちは気まずいかもしれない。その気まずさを受け入れ、弱みをさらけ出そう。頼むことは何も悪くないが、ゆっくりと進めよう。まずは、その人の仕事や関心についてもっと知りたいので会話をしたいとお願いし、意気投合できればメンターになるよう頼むのだ。

また、クリエイティブレビューに外部の視点を取り入れてみてはいかがだろうか? 自分の意見や直感だけでアイデアを主張するのは難しいので、重要な人々の意見を取り入れてみようというのだ。重要な人々とは、先輩クリエイターでもクライアントでもなく、現実の世界に生きる人たちのこと。彼らにアイデアを見せて意見を聞き、最も重要なのは彼らの反応を記録すること。現実世界のフィードバックに、反論するのは難しいためだ。

最後に、この業界の成長の活力に私は敬服するが、物事をゆっくりと進め、次から次へとタスクをこなそうと自分にプレッシャーをかけなくても大丈夫だということをお伝えしたい。KPIを明確にすることで、集中力が高まり、優先順位を付けやすくなるはずだ。時間をかけて技術を磨いてほしい。キャリアの初期は何かを生み出すことよりも、何を会得するかが重要だということを、もっと早く理解できていればよかったと私は思っている。私は幸運なことに、比較的早くキャリアアップすることができた。それでも振り返ってみると、技術を磨き、対人スキルを高めることに時間を費やしていたら、リーダーとしての自信はもっと高まったのではないかと感じている。

物事が思い通りに進まないとフラストレーションは溜まるものだし、時間と労力をかけたものが拒絶されたのであれば、なおさらだろう。しかし、挫折についてくよくよ悩むのではなく、自分でコントロールできることに集中しよう。サポートネットワークを構築し、メンターを探し、スキルを磨き続けるのだ。

この業界で成功する道筋は、常に直線的とは限らない。地道に積み重ねてきた小さな行動は、時間と共に積み重なっていく。仕事に集中し続けていれば、成功は必ず訪れる。

アンドレアス・クラッサー氏は、DDBグループ香港のCEO


これは重要な対話であり、皆さまのご意見が必要です。率直な見解やソリューション、 共有したい経験をお持ちの方は、Campaign Asia-Pacificまでご連絡ください。

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