David Blecken
2019年5月23日

電通PR、日米関係のインサイト獲得に向けて米シンクタンクと協業

電通PRが米シンクタンクと協業するのは、今回が始めて。

電通PR、日米関係のインサイト獲得に向けて米シンクタンクと協業

日米間の貿易や外交の先行きが見えない状態が続く中、電通パブリックリレーションズ(電通PR)は米国の対日経済対策の情報分析や対応・体制強化を目指し、米シンクタンク「全米アジア研究所(NBR)」と協力関係を締結した。

NBRは、米国とアジア諸国の政治・経済・安全保障などを専門とする非営利・無党派のシンクタンクで、貿易、エネルギー、健康・医療・福祉にフォーカス。電通PRはNBRの特別評議会に参加し、日米経済政策の情報分析に携わっていく。

電通PRによると、この協業によって得られる洞察は「クライアントが海外成長戦略を進める上で重要」と考えており、また海外政策情報をもとにしたコンサルティング活動を強化していく。

電通PRの代表取締役社長執行役員である畔柳一典氏はCampaignのインタビューに対し、政策研究は同社のウィークポイントだが、この状況を変えるのにNBRとの協業が貢献すると信じていると述べた。

「国内の政策研究をしっかり行うことはもちろんですが、国外の政策が日本のクライアントにどれほどの影響を与えるのかも考える必要があります」と畔柳氏。「米国の政策は貿易や安全保障の面において、日本に大きな影響を与えます。そのため日米関係に影響を及ぼす課題を、なるべく早期に把握したいのです」

また、「(NBRの)分析情報を、我々独自の分析調査と組み合わせることで、クライアントに価値を提供したい」とも。

畔柳氏によると、同社はシンクタンクと協力関係を締結したのは今回が初めて。対外政策を理解するには、パートナーシップを組む相手は米国のPRエージェンシーでなく中立的な機関が望ましいと考えた。だが別の文脈においては、米PRエージェンシーとの協力関係にも利点を見出しているという。

日本国内におけるPR業は、国際的なスタンダードへの意識が高まることで恩恵を受けるだろう、とも。「日本のPR業は現在のところ、あまりグローバルとはいえず、とてもユニークで日本的です」と畔柳氏。「メディアがこれまでとは異なる形式をとったときに、大きな変化が起こると考えています。その変化に備えるべく情勢を把握し、グローバルで何が起こっているのか、海外でどのように動くのかを理解しておく必要があります。変化が起きてから適応しようとするのでは、遅すぎるのです」

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

4 日前

世界マーケティング短信:エージェンシーの組織変革

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

バイロン・シャープ氏が語る、COVID-19への最も賢明な対応が「広告出稿停止」だった理由

「COVID-19に関連するブランドメッセージに消費者が興味を持つだろうというマーケターの考えは“恥ずかしいほど傲慢だ”」とシャープ氏は話した。

4 日前

広告活動に回復の兆し、マーケターの信頼が回復:WFA調査

現在、キャンペーンを延期している多国籍企業は半数以下に減少。6月には90%を超えていた。

4 日前

メディアの価格上昇率、最も高い地域はAPAC

グラフで見る:パンデミック下であっても、地域ごとのメディア価格を見ると、特にディスプレイとデジタル動画で価格が上昇しているのがわかる。