ピュブリシス・グループが日韓の新たなCEOを任命した。日本のCEOにはピュブリシス・メディア・シンガポールCEOのギャレス・ムルライアン氏が、韓国CEOにはレオ・バーネットのマネージングディレクター(MD)を務めるニコル・ロー氏が就任する。この人事は即座に発効、両者はピュブリシス北アジアCEO、ジェーン・リンバーデン氏の管轄となる。
これまで日本のCEOを務めていたフロリアン・トリポリノ氏は、アジア圏外の国へ。韓国のCEOだったチョ・ユミ氏は、1月にピュブリシス・グループを退職した。
先月前半、ムルライアン氏はピュブリシス ・メディア・シンガポールCEOの座を降りて無任所となり、同職にはグループ傘下のスターコム・アンド・スパーク・ファンダリー・シンガポールMDのイアン・ルーン氏が就任。ムルライアン氏はピュブリシス 在籍15年で、長年ゼニスのデジタル担当マネージングディレクターを務め、2015年には東南アジアCEOに昇進した。
ロー氏は10余年前にピュブリシス ・グループに入社。マクドナルドやP&G、サノフィ(バイオテクノロジー企業)、コカ・コーラ、フォルクスワーゲンといった主要クライアント向けのサービスや戦略プランニングのマネジメントを行ってきた。
「我々は今、北アジアにおける社内改革にスピーディーに取り組んでいます。日本と韓国の責任者という非常に重要な役割をギャレスとニコルに担ってもらうことに、大きな期待を抱いています」とリンバーデン氏はプレスリリースの中でコメント。「二人ともグループ内の尊敬すべきリーダーで、クライアント中心のビジネスモデルに全力で取り組んでいる。デジタルマーケティングやパフォーマンスマーケティング、eコマース、デジタルビジネスへの変革といった需要の高まりに応えるため、今後はサービスの拡大に注力していきます」。
日本と韓国のピュブリシス・グループの主要クライアントは、マクドナルド、P&G、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)、BMW、グラクソ・スミスクライン(GSK)など。ロー氏は、「韓国では世界トップ10ブランドのうち5社がクライアント。メディアを通じたクリエイティビティーと効率性の向上に努め、それらブランドのビジネス拡大を図る」とコメント。ムルライアン氏は、「今の日本は刺激的な場所。日本の文化から学びながら、ビジネス成長につなげていきたい」と述べている。
(文:ロバート・サワツキー 翻訳・編集:水野龍哉)