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画像生成AIの進化 著作権侵害を懸念する声も
オープンAI(OpenAI)が高精度な画像生成AI機能「4o Image Generation」を発表した。文章で指示すると写真のようにリアルな画像を生成することが可能に。そして、この機能がスタジオジブリの作品に似せた画像を生成できることが分かり、SNSにジブリ風の画像を掲載することが流行した。
例えば「bro explaining(説明する男友達)」というミーム画像や、トランプ大統領との食事中にカトラリーのバランスをとるイーロン・マスク氏の写真などが、ジブリ作品を模倣して生成された。
この流行に乗るブランドも現れた。エアバス(Airbus)は独特な外観の貨物専用機「ベルーガXL」のジブリ風イラストを、Xに投稿している。
#Ghibli stories have always celebrated flight — its freedom, its elegance, its soul.
— Airbus (@Airbus) March 27, 2025
So, obviously, our #BelugaXL had to join the trend.
How do you see the Airbus Family in Ghibli? Share in comments! pic.twitter.com/TisShO4MDT
また、オープンAIのサム・アルトマンCEOも、SNSのアイコンを自身のジブリ風の自画像に替えた。
さらにはホワイトハウスの公式アカウントも、フェンタニル密売で有罪判決を受けた外国人女性のジブリ風画像を投稿している。
https://t.co/PVdINmsHXs pic.twitter.com/Bw5YUCI2xL
— The White House (@WhiteHouse) March 27, 2025
この流行の一方で、スタジオジブリの宮崎駿監督の2016年の動画にも注目が集まった。AIが生み出した物体の不気味な動きに対し、「僕は面白いと思って見ることできないですよ。これを作る人たちは痛みとか、そういうものについて何も考えないでやっているでしょう? 極めて不愉快ですよね」「生命に対する侮辱を感じます」と同氏は批判していた。
AIが生成した作品が台頭するにつれ、著作権侵害の問題を懸念する声が高まっている。2月には、AIで制作した芸術作品のみを扱うクリスティーズ(Christie’s)の競売について、中止を求める公開書簡に4,000人近くが署名した。
マスク氏のxAIが、Xを買収
イーロン・マスク氏が2023年に設立したAI開発企業「xAI」が、ソーシャルメディアプラットフォーム「X」を買収した。xAIの企業価値は800億米ドル、Xは330億米ドルで、全額株式交換によって取得した。
マスク氏はXに「xAIとXの未来は絡み合っています。本日、私たちはデータ、モデル、コンピューティング、配信、人材を組み合わせるための第一歩を正式に踏み出しました」と投稿。「この組み合わせはxAIの高度なAI機能と専門知識を、Xの大規模なリーチと融合させることで、計り知れない可能性を解き放つでしょう」。
博報堂インターナショナルのプレジデント兼CEOに今井明彦氏
博報堂インターナショナルは4月1日、同社のプレジデント兼CEOに今井明彦氏が4月1日付で就任したと発表した。
今井氏は1989年に博報堂に入社。日産自動車の担当となり、2000年にTBWA HAKUHODOの前身である博報堂ジーワンに出向。TBWA HAKUHODOの執行役員を経て、2016年に同社の代表取締役社長兼CEOに就任。2021年からは博報堂の常務執行役員、今年4月からは取締役 常務執行役員も務める。
2021年と2023年にはCampaign Asia-Pacific主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」で、エージェンシーヘッド・オブ・ザ・イヤー(日本/韓国)を受賞した。
WPP、アニュアルレポートでDEIの言及を大幅削減
広告大手のWPPが先日発表したアニュアルレポートから、DEI(多様性、公平性、包摂性)に関する言及が大幅に削減された。昨年のレポートでは、フィナンシャル・タイムズが発表したダイバーシティリーダーに選ばれたことに触れ、経営幹部の非財務パフォーマンスを評価する項目として「従業員とDE&I」を設けていたが、今年はこれが「従業員と企業文化」に変更に。トランプ政権の反DEI政策に対応したものかについて、同社はコメントしていない。
フィナンシャル・タイムズが最近報じたところによると、トランプ政権の影響で米国企業200社以上が、アニュアルレポートでDEI関連の記載を削減したという。また連邦政府と契約を結ぶ欧州の企業にも、DEIの取り組みを禁止する大統領令の順守を求めた。
アクセンチュア ソング、DEI目標の廃止でピッチから除外
DEIへの逆風が米国で強まる一方で、アクセンチュア ソング(Accenture Song)はDEIの目標を廃止したことを理由に、昨年夏に始まったロンドン交通局(Transport for London)のクリエイティブピッチから外された。同社は2017年にダイバーシティの目標を掲げたが、この廃止を発表するジュリー・スイートCEOの社内メモが今年2月に明らかになった。同社はコメントを控えている。
ロンドン交通局の広報担当者はCampaignに対し、「アクセンチュア ソング/ドロガ5(Droga5)からの提出物の評価後に、クリエイティブの契約の入札を続行できないことを最近伝えました。その側面で必要な基準を、満たさなくなったためです」と語る。
「残念ながらアクセンチュア ソング/ドロガ5の優先事項がここ数カ月で変わったことで、我々がすべてのサプライヤーに期待する多様性の基準を満たさなくなり、クリエイティブ契約の入札を続けることができなくなりました」。
(文:田崎亮子)