David Blecken
2017年11月16日

WPP、TOB不成立ならばADKの価値向上に投資する考え

アサツー ディ・ケイ(ADK)株式公開買付け(TOB)の期限が迫る中、WPPは他の株主たちを味方につけようと策を巡らせている。

WPP、TOB不成立ならばADKの価値向上に投資する考え

ベインキャピタルによるADK買収が不成立に終わった場合には、WPPはもっと多くのADK株を保有する意向を示した。

ADK株の約25%を保有するWPPは15日の声明で、ベインは「ADKの企業価値や将来性」を過小評価しているとして、買収に反対する姿勢を改めて強調した。TOB期間は11月21日まで。

WPPはADKの経営戦略や経営陣を強く批判しているが、今回の買収劇について「自分たちの立場を明確にしておきたい」と声明で発表。具体的には「TOB不成立の場合は、ADK経営陣と建設的な関係を構築し、同社の強みであるアニメや、(今後の成長が期待される)デジタル領域の拡大に注力することを支援」して、ADKの企業価値向上に貢献していく考えだという。

また、株主や経営陣の合意があれば、保有するADK株を33%にまで増やしたいとの考えも明らかにした。ADKの企業価値向上に向けた提案は、買収に関する声明でこれまで出されてこなかったが、ADKの株主たちからの反対票を取り付けて買収を阻止したいというWPPの姿勢がうかがわれる。期限内にベインが50.1%以上の株式を取得できなければ、TOBは成立しない。

ADKがWPPグループとの資本・業務提携を解消する意向であることは、13日に発表された第三四半期決算短信にも記されている。提携による効果を長い間見出すことができず、非生産的だったと両社ともに批判しているが、WPPは日本でのメディアバイイングをADKに頼っている状態だ。

もしベインによる買収が成立しなくても、WPPがADKの経営陣を変えることができなければ、両社が良好な関係に戻ることは難しいだろう。ADKの植野伸一社長は、WPPとの提携関係はTOBの結果に関わらず解消するとの考えを公にしている。WPPはこの3月に、植野社長を追認しようと試み、6割近い株主から阻止された経緯がある。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

DANの商号、「電通インターナショナル」に

電通イージス・ネットワーク(DAN)の商号が「電通インターナショナル」へと変わる。世界での事業が「電通」のブランド名で統一されることになった。

2 日前

「40 Under 40」、2020年のエントリー開始

アジア太平洋地域の若き才能を選出する「40 Under 40」、8年目を迎えた2020年度のエントリーがいよいよ始まりました。

2020年9月25日

世界マーケティング短信:激しさを増す駆け引き

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2020年9月24日

ミレニアル世代と祖父母をつなぐ、「マゴ写レター」

「普段なかなか会えないおじいちゃんやおばあちゃんに、スマホから写真付き往復はがきを送ろう」 −− 日本郵便が、敬老の日に因んだ新しいコミュニケーションサービスを開始した。