Ryoko Tasaki
2021年7月21日

アスリートのメンタル不調、犬とのふれあいで改善へ

開幕がいよいよ目前に迫った東京五輪。パンデミックにより異例続きの今大会を前に、アスリートのメンタルヘルス問題に取り組むプログラムが始まった。

金融大手アリアンツは、五輪アスリートのメンタルヘルスを支える「Allianz Support Dog Squad」というプログラムを米国で開始した。

大会開催が1年延期となったことで、五輪出場を目指すアスリートには活動が制限される中、感染症対策をしながらコンディションやモチベーションを維持するという、大きなプレッシャーがかかった。

特にスケートボードは今大会から初めて正式種目となったばかり。「初めての五輪選手である彼らは、家族や友人、サポートシステムの同伴が認められないまま、未知の場所に足を踏み入れるというタフなチャレンジを強いられます」と、制作を担当したオグルヴィのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、マルコス・コトラー氏は語る。「孤独や孤立、メンタルヘルスの問題といったプレッシャーにさらされている人といえば、彼ら(スケートボード選手たち)ではないかと考えました」

動画に登場するのは、レティシア・ブフォーニ選手(ブラジル)と、ダショーン・ジョーダン選手(米国)。故郷から離れて単身米国で暮らすブフォーニ選手は今年、選考会の直前に足を負傷。「ブラジル代表として五輪に行くということは大きなプレッシャーでした」と振り返る。さらに「メンタルヘルスについて話すのは難しい」とも。

一方のジョーダン選手は、昨年時点では東京五輪の出場が内定していたが、今年の選考対象大会で惜しくも代表入りを逃した。「多くの人を落胆させてしまいました。これほど自分を責めるような、激しい落ち込みは経験したことがありませんでした」と明かす。

だがセラピードッグと過ごすことで、両選手はメンタルヘルスの問題に向き合うようになる。「五輪、トレーニング、スポンサー、メダル……と考えてしまいますが、犬といるときは全て忘れてリラックスできます」とブフォーニ選手。「孤独も感じなくなりました」

ジョーダン選手も「ネリー(犬)と一緒に過ごす間は、ネガティブなこと以外にエネルギーを集中できます」。ポジティブな姿勢で前に進めるようになったと語り、「2024年大会まであっという間ですね」と次の目標に照準を合わせる。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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