Ryoko Tasaki
2020年12月09日

「今は辛くても…」 トランスジェンダーの元就活生が送るエール

自分のセクシャリティを公表したら、就職活動で不利に働いてしまうのではないか――。LGBTQIA+の就職活動生として抱えていた不安を振り返る。

ヘアケアブランド「パンテーン」が、就職活動で自分らしさを発揮できないことに疑問を投げかけたのは2年前のこと。以来、理不尽な校則や、髪の多さやグレイヘアといった髪の個性を応援してきた。

そんな同ブランドがこのたびの広告キャンペーンで取り上げたのは、LGBTQIA+の人々の就職活動中の苦悩と葛藤だ。企画・制作はグレイ。

動画にはトランスジェンダーの2名が登場し、「男性として就職活動をしようか、女性として就職活動をしようか」「髪だけは嘘をつけないと思って」と葛藤してきたことを打ち明ける。当時を振り返りながら、現在は笑顔で語る社会人となった2人の姿は、まさにロールモデルといえるだろう。

1分にまとめられたCMにも、もちろん強いメッセージ性がある。だが以下にご紹介するフルバージョンの動画で「3年後とか5年後にはあなたは笑ってます」という言葉を紡ぐまでの無言の数秒間が、見る者に強く訴えかけてくる。

特設サイトでは、動画内に登場する2名を含む計14名のエピソードが紹介されている。

(文:田崎亮子)
 

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

成熟期を迎えたマーケティング

ヒューレット・パッカード(HP)社のグローバルチーフブランドオフィサーが、今年のカンヌライオンズで会得したアジアのマーケターへの学びを綴る。

1 日前

カンヌライオンズ、AI、そして信頼性

AIの不正使用を理由としたカンヌライオンズ史上初のグランプリ受賞取り消しは、非常に重要な転機となった。だがこれはAI時代のマーケティングにおける大転換の序章に過ぎないのだろうか?

2025年7月04日

世界マーケティング短信:カンヌのグランプリ受賞が取り消しに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2025年7月03日

「日本のユーモアを再び」 カンヌライオンズ・フィ ルム部門総括

今年のカンヌライオンズで注目されたのは、ユーモア だ。だが、欠けていたのは「日本的ユーモア」だという。マッキャンAPAC(アジア太平洋地域)のCCOで、フィルム部門の審査員を務めたヴァレリー・マドン氏が 語る。