David Blecken
2017年8月15日

大物画家デザインのサーキットで試される、日産の実力

60周年を迎えた「スカイライン」のために、「ピガッソ」が特別な作品を描いた。

伝説的F1ドライバーのジャッキー・スチュワートはかつて、ドイツの難関サーキット「ニュルブルクリンク」を「緑の地獄」と呼んだ。しかし、ブタが「デザイン」したこのコースには、及びもつかないだろう。

誕生60周年を迎えたスカイラインの優れた性能をアピールすべく、日産自動車はTBWA\HAKUHODOと共に南アフリカの才能豊かな画家、ブタの「ピガッソ」にコースデザインを依頼。ピガッソの描き出した極めて複雑なデザインを実物大のサーキットに展開し、レーシングドライバーのミハエル・クルムを招いた。クルムは、コースの全容を知らされることなく、試験走行に臨んでいる。

スタート直後はコースの複雑さに困惑していたクルムだが、スカイラインの電気信号ステアリング(DAS)技術に感動したようだ。(コースのデザイナーが明らかになった時点で、ピガッソの才能にも驚いたことだろう)

Campaignの視点:
すばらしく愉快な試みであり、かつ、動物にもドライバーにも終始、危害は及んでいない。実際、ピガッソもクルムも存分に楽しんでいるようだ。スカイライン以外の自動車でも、このコースをうまく走行することができるかといえば、その答えはほぼ確実に「イエス」だろう。だが、肝心なポイントはそこではない。ユーモアを生かした自動車の広告がいまだにほとんど見られない中、日産自動車がユーモラスに、スカイラインの真の魅力を余すところなく表現している点がいい。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:オムニコムの新体制が明らかに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2025年12月02日

人員削減はビジネス上の理由 リストラから迅速に再出発するには?

人員削減がクリエイティブ業界の構造を変えつつある中、人員整理は今やビジネスにおける現実となった。2026年に向けて再出発し、新たなポジションを見つけ、採用されるための実践的なロードマップを、採用ディレクターのディーン・コネリー氏が紹介する。

2025年11月28日

アサヒGHDへのランサムウェア攻撃 最大190万件の個人情報が流出か

アサヒはシステム障害への対応に注力するため、通期決算発表を遅らせると発表した。

2025年11月28日

世界マーケティング短信:オムニコムのIPG買収が完了

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。