Matthew Miller
2019年12月16日

資生堂とR/GAが実現した「デジタルタイムトラベル」

夫婦や親子が向き合い、お互いの未来や過去の姿をリアルタイムで見つめる −− 横浜の資生堂グローバルイノベーションセンターで、画期的なインスタレーションが公開されている。

このブースは資生堂がR/GA Tokyoと協働して開発した。10代から80代までの日本人男女から収集した多様な顔データに基づき、体験者の様々な年齢の顔立ちを3Dによってリアルタイムで再現するというもの。夫婦や親子、恋人同士などが向き合い、「瞬時にお互いの過去や未来の年齢を行き来できる」(プロジェクト担当者)という仕組みだ。

「beyond time(時を超えて)」と名付けられたこのデジタルタイムトラベル体験。R/GAのエグゼクティブクリエイティブディレクター、ニクラス・リリヤ氏はプレスリリースの中でこうコメントする。「大切な誰かと、瞬く間に様々な年齢になる体験をすることができたらどんなことが起こるだろうと思いを巡らせていた。親が子供よりも若くなったら。恋人がお互いが出会う前の姿で会ったら。友達があっという間に年老いたら。 時間という制約を取り払い、違う一面を見つけることができるというのは、お互いのよさを実感できるエモーショナルな体験であると思う」。

プロジェクトの土台となったのは、資生堂が長年実施してきた顔などの肌に関するリサーチ。R/GAが開発した「3Dフェイシャルエイジ・シミュレーション・エンジン」がこれを踏まえて1,300に及ぶ顔のデータポイントをチェック、同じくR/GAが収集した顔型のデータベースに応用することで、「科学に基づいた正確なエイジングのシミュレーションが瞬時に可能になった」。

R/GAはこのプロジェクトのため、資生堂に専門チームを派遣。「我々は資生堂と密に協働し、物理・デジタル両空間でプロトタイプを作り、定期的にアイデアをテストすることによって、比較的短期間で世界初の3次元リアルタイム年齢シミュレーションエンジンを作り上げることができた」とR/GAエグゼクティブテクノロジーディレクター、アントニー・ベイカー氏は話す。

(文:マシュー・ミラー 翻訳・編集:水野龍哉)

フォローする

トップ記事と新しいキャンペーン情報

速報メールを受け取る

関連する記事

併せて読みたい

Premium
世界マーケティング短信:広告界の知見で苦境に立ち向かう
Premium
4 日前

世界マーケティング短信:広告界の知見で苦境に立ち向かう

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

Premium
2020年代、注目のブランド
Premium
4 日前

2020年代、注目のブランド

これからの10年間、アジア太平洋地域を牽引するブランドは −− 4人のエキスパートが占う。

Premium
アリババ、五輪の「デジタル変革」を目指す
Premium
2020年1月21日

アリババ、五輪の「デジタル変革」を目指す

東京2020大会に向け、新たなロゴを発表したアリババグループ。CMOのクリス・タン氏が、成田空港に設置するデジタルアートインスタレーションやマーケティング戦略について語った。

Premium
世界マーケティング短信: プライバシーをめぐる攻防
Premium
2020年1月17日

世界マーケティング短信: プライバシーをめぐる攻防

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。