David Blecken
2017年4月06日

世界最強軍団「オールブラックス」、東京で荒ぶる

AIGの新たなCFが話題を呼んでいる。ありきたりの保険会社の広告とは明らかに一線を画すこの作品の主人公は、ニュージーランドの猛者たちだ。

保険のCFと言えば、ここしばらくは「お涙頂戴もの」ばかりが目立っていた。正直、このトレンドが始まった当初はいくつかの作品に心を動かされたが、すぐにどれもが色褪せてしまった。それだけに、屈強なラグビー選手たちが無防備な市民にタックルを仕掛けるというこのCFは実に新鮮に映る。

AIGジャパン・ホールディングスによる3分間のスペシャルムービー「#Tackle the Risk(タックル・ザ・リスク)」。世界最強と言われるラグビーのニュージーランド代表チーム「オールブラックス」が東京に出現、街の人々を手当たり次第に攻撃する。だが動画が進むにつれ、選手たちは人々を様々な危険から救っていたことが明らかになる。

このCFを仕掛けたTBWA HAKUHODOによれば、「リスクは至るところに潜み、事故は思いがけない時に起こることを再認識してもらう」のが意図。通常、保険会社は事故後の対応に注力する。これに反し、昨年AIGはリスクを未然に防ぐ新たなサービス「ACTIVE CARE」をスタートさせた。作品はそのプロモーションの一環だ。

制作はAOI Pro.。AIGは昨年11月、オールブラックスとのスポンサーシップ契約をさらに6年間更新した。日本は2019年のラグビーワールドカップを主催する。

Campaignの視点:
しっかりとしたメッセージが伝わる、見応えのある作品。スポーツチームへのスポンサーシップをいかに楽しく、創造的にコミュニケーションとして活用するかを示す好例だろう。

(文:デイビッド・ブレッケン 編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

8 時間前

「多様性に欠けたクリエイティビティーは機能せず」 電通グループ・五十嵐社長

カンヌライオンズの開幕を控え、Campaignは広告業界“ビッグ6”の一角、電通の五十嵐博グローバルCEOにインタビュー。クリエイティビティーとビジネス、ブランド構築などについて尋ねた。

4 日前

世界マーケティング短信:WPPのリードCEO、年末に退任

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

シーインのグローバルPRディレクターが語る、ファストファッションの拡大とデジタルの影響力

先日開催されたCampaign360に、シーインのシャーリーン・リー氏が登壇。倫理観や環境への影響が問われる中で、リアルタイム生産、ポップアップストアの展開、マイクロインフルエンサーモデルがいかにグローバルな成長を後押ししているかについて語った。

2025年6月11日

電通、アテンションデータでリテールメディアを強化

アイトラッキング(視線計測)データに関する調査で、リテールメディアがソーシャルメディアやOOH(屋外広告)に匹敵する効果があることが証明された。