David Blecken
2017年3月24日

200万回超のビュー トヨタ・ヴィッツ新CF

クルマのCFに一石を投じるストーリー性と、過去の映像技術を駆使したエンターテインメント性。トヨタ・ヴィッツハイブリッドの新作が、多くの視聴者を呼ぶヒットとなっている。

車のCFは、いつも紋切り型である必要はない。トヨタ・ヴィッツハイブリッドの新作は、CF制作のプロセスの舞台裏を楽しく見せている点で出色だ。会社の上司から車の性能を逐一紹介するよう求められたり、クライアントが納得するようストーリーの変更を求められたり……クリエイティブディレクターが必ず遭遇する局面をユーモアたっぷりに描いている。

「The making of new Vitz story」と名付けられたこのCFは、タグボート(ディレクターは田中秀幸氏)と東北新社の手によるもの。オーストラリアのポストプロダクション会社「Alt.vfx」が過去のCFで使用したVFXからヒントを得ている。

ストーリーは、血気盛んな若手クリエイティブディレクターが映像で大胆な発想を次々と披露するが、クライアントや視聴者からのクレームを恐れる彼の上司がいちいち分別じみた意見を述べ、全く違う展開にしてしまうというもの。その過程で様々な映像技術が披露される。

「タグボートも田中氏も、CF制作に駆使される最新の映像技術にインスピレーションを受けたようです。それがこのアイデアにつながり、トヨタ・ブランドに全く新しい息吹を与える作品を生み出しました」(Alt.vfxエクゼクティブプロデューサー高田健氏)

このCFは、これまでユーチューブ上で230万回以上のビューを記録している。

Campaignの視点:
見ていて楽しく、魅力的なCFだ。車の宣伝に必要な要素を全て備えた、稀な作品と言えよう。特に、最後に登場するトラックが良い味わいを出している。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:岡田藤郎 編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

14 時間前

「多様性に欠けたクリエイティビティーは機能せず」 電通グループ・五十嵐社長

カンヌライオンズの開幕を控え、Campaignは広告業界“ビッグ6”の一角、電通の五十嵐博グローバルCEOにインタビュー。クリエイティビティーとビジネス、ブランド構築などについて尋ねた。

4 日前

世界マーケティング短信:WPPのリードCEO、年末に退任

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

シーインのグローバルPRディレクターが語る、ファストファッションの拡大とデジタルの影響力

先日開催されたCampaign360に、シーインのシャーリーン・リー氏が登壇。倫理観や環境への影響が問われる中で、リアルタイム生産、ポップアップストアの展開、マイクロインフルエンサーモデルがいかにグローバルな成長を後押ししているかについて語った。

2025年6月11日

電通、アテンションデータでリテールメディアを強化

アイトラッキング(視線計測)データに関する調査で、リテールメディアがソーシャルメディアやOOH(屋外広告)に匹敵する効果があることが証明された。