John Marsden
2024年11月27日

エージェンシーモデルを再考し、効率化を

現在の広告業界に対する不満は依然くすぶっている。人材とクリエイティビティー、そしてそれらの成長を妨げるシステムを再考して変革を実現すべし、と識者は唱える。

エージェンシーモデルを再考し、効率化を

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

「従来型のエージェンシーモデルはすでに崩壊している」 −− マーケターなら誰もがこうした嘆きを聞いたことがあろう。残念ながらこれは現実であり、我々は皆、その被害者である。このモデルに勝者はほぼいない。そして悲しいことに、最も大きな打撃を受けるのは、マーケティングという絶え間なく回転するマシンの歯車を動かす人間なのだ。

ここで1つの疑問が生まれる。我々は今、ブランドが本当に必要としているものを提供しているのだろうか。

私の考えはこうだ。ブランドは変化するニーズに合ったオーダーメイドのソリューションを必要としている。だが、現在のシステムでは必ずしもそれが満たされているわけではない。

解決すべき課題

長年にわたり、様々な分野のエキスパートはジェネラリスト(幅広い知識や技能を持つ人物)としてクライアントに売り込まれてきた。このやり方はクライアントに提供するサービスの質という点で、2つのデメリットがある。

まず、ジェネラリストとしてまとめられてしまうことで、クリエイティビティーが抑えられ、才能を伸ばせなくなる。関心が多方面に分散され、往々にして得意・専門分野以外のことを任せられる。そのため各人の潜在的能力を最大限に引き出せず、クライアントにベストの成果物を提供できないのだ。

クリエイターは意義のある仕事を成し遂げ、同僚に誇れる作品をつくりたいと願っている。 もちろん、現状でそれができないわけではない。今も多くのクリエイターがエージェンシーで活躍するが、その多くはいくつものフィードバックに埋没し、有意義な議論から取り残されてしまっている。彼らが仕事に幻滅して去っていくのは時間の問題で、その結果、エージェンシーとブランド双方に良い意味の緊張感が薄れ、不満が鬱積していくだろう。

2つめは、こうしたジェネラリストによるチームは様々な対応力があるとみなされ、複数のクライアントを抱えてしまうことだ。 処理能力を超える仕事量を担わされ、結果的にどの成果物も平均点以下になってしまう。そうなれば当然、クライアントの不満も増す。

エージェンシーがブランドのニーズに応えられなければ、一体誰が応えられるのか。

それは異業界から出現した「破壊的勢力」だ。すなわち、データ分析を武器に市場トレンドや顧客インサイトを深く掘り下げ、ブランドにとって魅力的なマーケティング戦略を提供するコンサルティング会社のような存在である。 データ主導のアプローチはマーケティング戦略にとどまらず、それ以外の成長機会を見定め、CEOやCFOの共感も得られる。だが、コンサルティング会社と契約を結ぶ場合でもコストは依然として生まれ、近年では彼らが買収したクリエイティブ会社との間で齟齬が生じることも多い。

解決策

こうした課題を解決する良い手段とは何か。

近年飛躍的に増加しているのが、エージェンシーがクライアントに自社チームを送り込むインハウス化だ。全米広告主協会(ANA)によると、現在世界でブランドの82%がインハウス化を導入。アジア太平洋地域(APAC)でもこのモデルへの移行が加速している。

インハウス化を導入しているブランドはすでにビジネス価値を高め、これに対応できていないブランドは時代遅れになりつつある。それはなぜか。インハウス化をすればマーケターは専門知識を生かし、効率的に活動できる。時間とコストの効率化を実現させる、魅力的なソリューションなのだ。専任のチームが1つのブランドとその業務に集中することで、様々なプロセスが合理化され、一貫性のある成果物を迅速に具体化できる。

では、ブランドはどうすればニーズに合ったチームをつくれるのか。3つの手法をご紹介する。

1. KPIとリソースの把握

従来型のエージェンシーには独自の成長目標があるが、マーケティング目標を明確にし、同一のKPI(重要業績評価指標)で測定するインハウスチームをつくることが重要だ。それによって目標に合った効果的な予算の使い方ができる。そして自社が不得手な専門分野を明確にし、そのエキスパートを社内、あるいは業務委託の形で雇用する。


2. 自社ブランドに精通するチーム

少人数編成のチームをつくるたびに、一から指導しなければならない −− クライアントからはこうした不満がよく聞かれる。自社のブランドのファン、つまり自社の理念に対して同じ情熱を持っている人や、自社サービスを利用している人でチームを構成すれば、ブランドのことを迅速に、より深く理解してもらえるだろう。そして、インパクトのあるクリエイティブな成果物を生み出せるのだ。

 3. 品質管理の徹底

海外のチームを統率するリーダーには、現地の事情を熟知する人材を選ぶ。コストの効率化を実現しつつ、ブランドのガイドラインやキャンペーンのニーズに照らし合わせて成果物を判断できる「品質管理者」が必要だ。そのためには、ステークホルダー(利害関係者)やクリエイターと直接コミュニケーションを取れる人材が必要となる。

コスト削減だけを目的にしたインハウス化では、往々にして目指す成果が得られない。だが、ブランドとチームに適した手法でインハウス化を実現すれば、エージェンシーの法外な請求に予算の大半を費やす必要がなくなり、しかもその予算でマーケターはフルタイムのエキスパートを雇い、チームを拡大できるのだ。

インハウスと代理店の併用

コストを効率化すれば、よりクリエイティブで効果的なマーケティングに予算を振り向けることができる。少数精鋭のエキスパートが日々のマーケティングを担う一方、外部の人材の能力やインスピレーションが必要な時もでてくる。例えば大手ブランド向けのクリエイティブなアイデアは、多くのクリエイターを擁するクリエイティブエージェンシーから生まれることが多い。

必要な時に、クリエイティブエージェンシーの得意分野を活用する。そうすることで双方のモデルの長所を生かして目標を達成し、効率を最大限に高める。

ブランドがより効果的なマーケティングを実現するための柔軟性なソリューション −− それは才能豊かな人材を得意分野に集中させ、ベストの成果を出すインハウス化だ。

自社のチームを強化したいのなら、日用品の宣伝に最適なジャカルタのアニメーターや、いろいろなプラットフォームでファッション愛好家にアピールできるインドのソーシャルメディア戦略家を見逃すべきではない。

ブランドのニーズに適応する、目的に合致したソリューションを実行する。今こそ、そうした行動を取るべき時だろう。


ジョン・マースデン氏はマーケティングコンサルティング会社メーカー・ラボ(Maker Lab)でAPAC事業開発ディレクターを務める。

提供:Campaign Asia

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