Tatsuya Mizuno Staff Reporters
2023年5月25日

パワーリスト2023:「APACベストマーケター50」の日本人

Campaign Asia-Pacificが毎年、アジア太平洋地域(APAC)の優れたマーケターを選ぶ「パワーリスト(Power List)」。今年は日本から2名が選出された。

パワーリスト2023:「APACベストマーケター50」の日本人

2018年からスタートした「パワーリスト」は、APACで強い影響力を発揮するマーケターを選ぶ取り組みだ。今年はデータ分析大手ダブルベリファイ社との共同企画で実現した。

この5〜10年で、ブランドマーケターの責務は大きく変わった。ブランドストーリーを伝える媒介にはメタバースやインフルエンサー、そして新たなプラットフォームが加わり、様々なタッチポイント(顧客接点)を考慮せねばならなくなった。データソース、オンラインあるいはオフラインのインタラクション、AI(人工知能)、アドテク……現代のマーケターは常に最新情報に長けていなければならない。

ここに選んだマーケターは皆、こうした面で非常に優れている。だが弊社が選考基準としたのはそれだけではない。

まずは、その影響力。50人のマーケターのほとんどは、潤沢な広告予算と市場シェアを誇るブランドに所属する。だが、彼らは現状維持に満足せず、独創的アイデアで消費者と積極的なコミュニケーションを図る。エンゲージメントの向上、ブランドのさらなる成長に貢献しているのだ。

2つ目の基準は、DEI(多様性、公平性、包摂性)。ブランドパーパスの伝播にとどまらず、企業文化にDEIを根付かせる上で率先的役割を果たしていることに着目した。

そして、イノベーションとクリエイティビティー。的確なインサイトに基づき、的確なタイミングで斬新かつ大胆な戦略を実行しているか否か。

リストの50人のうち約半数は過去に選ばれた面々であり、残りは今年新たに選出された。消費者活動が「コロナ後」のフェーズに突入し、ブランドの浮沈や課題の変化が反映された結果と言えよう。マーケターにとっては新たな挑戦の時代だ。

選出にあたって、弊誌エディターは繰り返し討議を重ねた。その結果、APACのベストマーケターをリストアップできたと自負する(マーケターの全リストはこちらから)

では、日本から選ばれた2名のマーケターをご紹介しよう。

足立光
ファミリーマート
チーフマーケティングオフィサー
 
河野奈保
楽天
副社長執行役員、CMO

 

関連する記事

併せて読みたい

22 時間前

キャセイパシフィック、名物「香港カーブ」を再現

7人制ラグビーの最終日に合わせ、キャセイパシフィック航空が「世界一着陸が難しい」といわれた空港の100周年を記念して、有名な急旋回を再現した。

23 時間前

世界マーケティング短信:メタのインスタ買収は独占禁止法違反か?

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

AIによる人員削減の脅威、PR業界ではどれほど現実的なのか?

大規模な人員削減の波は、PR業界にも押し寄せているのか。それとも実情はもう少し微妙で複雑なのだろうか?

2 日前

エージェンシー・レポートカード2024:APAC主要エージェンシーの評価表

今年で22回目となるCampaign Asiaの「エージェンシー・レポートカード」。アジア太平洋地域(APAC)の主要エージェンシーの過去1年間にわたる実績を、様々な角度から総合的に査定する。