
パワーリスト2025 「APACベストマーケター50」 *CampaignはDoubleVerifyと提携しています |
足立光
チーフマーケティングオフィサー、チーフクリエイティブオフィサー
ファミリーマート
2021年より5年連続で選出
ファミリーマートのマーケティング本部を統括する足立光氏は、2020年に入社。以来、ビジネスとカルチャーの両面で、ブランドを新たな高みに導いてきた。今年2月の時点で既存店売上高は42カ月連続で前年同期を上回り、2024〜5年度の利益は過去最高を記録する見込みだ。
足立氏は季節限定キャンペーンの礎を築き、人気イベントに仕立てて実績を重ねた。「ファミマのいちご狩り」や抹茶フェア、猫をテーマとした「ファミリ〜にゃ〜ト大作戦!」、人気商品ブラックサンダーとのコラボレーションなどがその好例だ。また「チョコミントフェア」や「香るアジア」、「ハワイのおいしさ大集合!」といった新しいキャンペーンも次々と成功させ、ブランドイメージの新鮮さと消費者エンゲージメントを維持。
マーケティングにおける成功要因の1つは、メジャーなIP(知的財産)との戦略的コラボレーションだ。ポケモンや「僕のヒーロー・アカデミア」「モンスターハンター」「ピクミン」などに加え、ドラえもんや「ミニオンズ」、任天堂「ルイージ」など、アイコン的キャラクターとのコラボレーションも初めて実現。こうした取り組みはファミリーマートのメディア露出を大幅に増やし、2021年から24年にかけてそのメディア価値を3倍に高めた。
こうした実績だけにとどまらず、同氏は日本やアジア太平洋地域(APAC)におけるマーケティング業界の向上を積極的に提唱する。国内最大級のカンファレンス「マーケティングアジェンダ」ではカウンシルメンバーを務め、イベントの指針策定に寄与。また「マーケティングLeaders CAMP」やアドテック東京といった主要な業界フォーラムでも、基調講演者として定期的に登壇する。昨年は台湾で開かれた「Inside Future Day」で、日本からの唯一の広告主として登壇。リテールメディアとマーケティングイノベーションに関するインサイトを披露した。
さらに、マーケティング本部内に設けられたサステナビリティ推進部を牽引。持続可能な開発目標(SDGs)をファミリーマートの事業活動の中心に据えるべく、食品ロス削減を目指す「フードドライブ」や「涙目シール」といったキャンペーンを展開した。こうした取り組みで、サステナビリティ関連の同社のメディア露出は昨年、2022年の5倍に急増した。
足立氏のリーダーシップの下、ファミリーマートの業績は堅調で、かつイノベーションと社会的責任にコミットするブランドとしての評価を着実に高めている。ビジネス成長と社会的影響を両立させ、業界とも積極的な連携を図るバランスの取れた同氏のアプローチは、CMOとして出色と言えよう。
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