David Blecken
2017年1月11日

マクラーレンと小兵力士に相通じるもの

英国のマクラーレンが、国際的な自動車ブランドでは初めて、日本の国技である相撲の力士のスポンサーとなった。その真意やいかに。

石浦関。有明のマクラーレン東京テクニカルセンターにて。
石浦関。有明のマクラーレン東京テクニカルセンターにて。

日本の国技である相撲とスーパーカーとは、一見ほとんど相容れないものに映る。だいたいあの大きな力士が運転席に収まりそうもないのだから、なおさらだ。だが、英国の自動車メーカー「マクラーレン・オートモーティブ」は関取で最軽量の石浦関(本名:石浦将勝)との間に多くの共通点を見出した。

同社の日本における正規販売代理店「マクラーレン東京」は1月7日、マクラーレン東京テクニカルセンター(江東区有明)で石浦関に化粧まわしを贈呈した。化粧まわしは、大相撲の関取が土俵入りの際に締める儀式用のもの。石浦関の今場所の初土俵は1月8日で、マクラーレン東京のCEO川本錦一氏は「化粧まわしのスポンサーシップは無期限」と述べる。マクラーレンが相撲の世界に関わるのは初めてのことだ。


では、両者にはどのような共通項があるのだろう。26歳の石浦関は体重115キロで、関取の中で最も軽い。移動手段はもっぱら自転車で、運転免許を持っているものの車には最近まったく乗っていない。だがこの点は、マクラーレンにとって大きな支障にはならないようだ。川本氏曰く、「石浦関はマクラーレンと同じ特徴を持っています。軽さとスピード、そしてパワフルなことです」。加えて、石浦関の端正な顔立ちと紳士的なチャレンジ精神も重要な素養となった。川本氏は、マクラーレンのターゲット層は経済的にゆとりのある成熟した世代で、「気持ちが若く、紳士的マナーを持つ消費者」と語る。

過去6場所で、石浦関は大方の予想に反し42の勝ち星をあげた。宮城野部屋に入門してからは関取になる夢を一時あきらめ、オーストラリアに短期滞在していたこともある。だが角界で活躍する仲間たちに刺激を受け、再び相撲道を目指すべく帰国。その取り口は型にとらわれず、相撲の魅力をより広めていくことが期待されている。

マクラーレンは、3月のジュネーブ・モーターショーでの新型モデル発表を控える。川本氏によれば、同社は「日本でのブランド認知度を向上させるプラットフォームとして、相撲に大きな可能性を見出しています」。国技であると同時に、自動車メーカーによるスポンサーシップは意外性がある点に着目したようだ。

「日本では誰もがフェラーリを知っています。一方でマクラーレンは、スーパーカーのメーカーとして日本での認知度はまだ十分とは言えない。相撲は国技であり、NHKで海外放送もされています。それを活用すれば、ブランドを強化する上で有効なアプローチになると考えたのです」

マクラーレンの日本進出は2012年。昨年、日本での販売台数は98台だった。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

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