
* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
アジアのブランドにとって、スポーツマーケティングを度外視してグローバルな成功を求めることは、試合会場に行かずして試合に勝とうとするようなもの −− これは決して大袈裟な比喩ではない。
アジア各国の市場は成長鈍化を続けている。競争は激化し、新規市場の開拓はもはや「生存」のための必須条件だ。しかし多くのブランドは、インターナショナルマーケティングをブランドの単なる「示威行動」とみなしている。派手に見せるためにお金をかけるものの、実際の効果は乏しい。
グローバルな展開とは、実はローカルな思考を意味する。中国の電気メーカー、アイパー(Aiper)を例に取ってみよう。同社がオーストラリアに進出する際、当初スポンサーシップを検討したのはテニスの全豪オープンやF1といった「定番商品」だった。しかし弊社のデータは、夏のスポーツとしてクリケットが人々の共感を呼ぶことを示した。ブランドには意外だったかもしれないが、これは正しい選択だった。クリケットは夏の代名詞として人々の心に深く刻まれており、アイパーはすぐに豪州の文化に溶け込んだ。今では同社のプール清掃用ロボットは市場でトップシェアを誇る。
グローバルな展開とは、ブランドをひたすら目立たせることではない。各文化との一体感を示すことを意味するのだ。
ゲームの効果的活用法
この業界では、誰もが「ゲームの活用法を理解している」と主張する。だが実際は逆で、ほとんどの人はわかっていない。eスポーツはコアなメディアエコシステムの、さらなるコアな部分だ。
弊社の最新版「ゲーミングトレンドレポート」では、ゲーマーは従来のメディアオーディエンスよりもブランドインテグレーション(ブランド統合)に好意的であることがわかった。さらに、平均的なゲーマーとは17歳のティーンエイジャーではなく、37歳の成人。彼らは部屋にこもっているのではなく、文化に精通し、ブランド意識が高く、強い影響力を持ちあわせている。ブランデッドコンテンツも積極的に受け入れる。だが、ゲームへの広告支出は世界で5%に満たない。
しかもeスポーツにおけるブランドアクティベーションのほとんどは、自社のロゴやハイライトの映像を見せることに終始している。こうしたマーケティング手法は怠慢と言わざるを得ず、高いレレバンスと親和性を実現する機会を逃している。ゲーマーの84%と一般の人々の68%は、ゲーム業界に進出するブランドに対して好意的な印象を抱いているのだ。
愛好家たちの「言語」を話し、彼らのルールを理解すれば、あなたのブランドはゲームと一体になることができる。
「ローカルな愛」を得られる、ローカルなヒーロー
オーディエンスの心を掴むには「顔」 −− ローカルな顔が必要だ。欧米のブランドはグローバルなパートナーシップを使ってアジアに進出することが多いが、それだけでは決して十分ではない。日本や中国といった市場では、国のプライドが深く根付いている。
大谷翔平選手がロサンゼルスドジャースに入団したとき、多くの日本のブランドはこの機会を巧みに利用した。単に機に乗じただけでなく、ローカルヒーローを通じてグローバル市場で存在感を確立したのだ。現在、彼のスポンサーの半数は日本企業だ。
最近では、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズにドラフト指名された20歳の中国人、ヤン・ハンセン選手の例がある。彼はひと晩でメディアの注目を浴び、多くのブランドの関心を集めた。これは単にスポーツ界のストーリーではなく、「カルチャーモーメント」にほかならない。オーディエンスとのエモーショナルなつながりを求めるなら、ファンを熱狂させるアスリートにお金を使うべきなのだ。「我らがヒーロー」をサポートするブランドは信頼感と親近感、そして長期にわたる共感を得ることができる。
アジア進出を図る欧米ブランドにとって最も賢明なアプローチは、各国のプライドを考慮することだろう。
商品を売るためのスポンサーシップ
率直に言うなら、多くのエージェンシーはスポーツマーケティングを単に虚栄心を満たすものと捉えているように思える。ロゴを大きく見せ、映像をクールに編集するだけで、商品の本質が見えないのだ。広告予算がしぼみ、1ドルの無駄遣いもできない今の時代、こうしたアプローチは許されることではない。
スポンサーシップはあくまでもブランドを成長させ、業績を上げるためのものでなければならない。
弊社はサッカーのUEFAチャンピオンズリーグとパートナーシップを結んだ中国のスマホメーカー、OPPOのキャンペーンをサポートした。その際心がけたのは、美しい映像を撮るだけでなく、OPPOのAIカメラ技術を軸としたストーリー展開だった。商品で何ができるかをオーディエンスに示すだけでなく、スペインの若きスター、ラミン・ヤマルを若いファンが追いかけるという視点から物語を紡いだ。ファンの世界とスターに焦点を当てたが、真の主役は商品だった。
ストーリーがいかに美しくても、業績が向上しなければ単に予算の無駄遣いになってしまう。ファンが共感できるストーリーをつくり、彼らの記憶に商品を刻み込むことが肝要だ。
新しいスポーツを見逃すな
パデル、ピックルボール、クロスフィット、ハイロックス(新しいフィットネスレーシング)……ニッチと呼ぶのは構わないが、こうした新たなスポーツは巨大なファン経済を築いている。ピックルボールだけでもアジアで19億回のエクスポージャーを生み、インドと中国では3桁の成長を遂げている。また、パデルの愛好者は今では世界で2500万人以上を数える。
これらは一過性のブームではない。文化的ムーブメントなのだ。既存のスポーツだけ追い駆けているブランドは、次世代のファンを見逃すことになろう。
先見の明があるブランドは、いち早くこうしたスポーツに参入している。SMBCグループのデジタルバンク「Jenius Bank」はピックルボールを巧みに活用して、若いエネルギッシュなオーディエンスとつながり、ニッチなスポーツがアジアのブランドにとって極めて有効なことを証明した。
新種のスポーツは目新しさだけでなく、コミュニティーとつながり、信頼を生み、注目度を高める。いち早く参入し、正しく存在感を示せば、あなたのブランドは文化の一部として根付いていくだろう。
エコー・リ氏は電通スポーツインターナショナルのグローバルチーフコマーシャルオフィサーを務める。