
* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
優れたクリエイティブアイデアを生み出すのは情熱だ。だが、それは決して容易なことではない。
マーケティングブリーフに取り組む広告エージェンシーの現場を覗いてみよう。ユニークなアイデアを出そうと、クリエイティブチームが苦闘している。社内で飛び交う様々な意見。プレゼン資料作成のために徹夜するインターン。眠気覚ましにエナジードリンクを飲むクリエイティブディレクター……。やがて、クライアントへのプレゼンの時が来る。
先方のマーケターたちはポーカーフェイスを決め込み、チェックリストを用意して身構える。クリエイティブに対しては誰もが好意的だ。そして、最終決定権を持つCMOに視線が集中する。彼女の答えも、「イエス」。安堵のため息と笑顔、そして握手。プレゼンは順調に進んだかのようにみえた。
だがその後、マーケターの1人が自宅に戻り、家族の誰かに意見を聞こうと思った瞬間、全てが崩れ去ってしまう −− 皆さんも、こんな経験がお有りではないだろうか。
マーケターの相談相手は妻や夫かもしれない。あるいは変わり者のいとこ、またはただの友人かもしれない。それが誰であれ、個人的意見はアイデアの客観的評価とクリエイティブの意思決定プロセスを台無しにしてしまう。弊社の調査では、マーケターの84%、広告エージェンシーの89%が「個人的意見が意思決定に大きな影響を与える」と答えた。

なぜ、これが問題なのか。また、そうした「罠」に陥らないためにはどうすればいいのか。その理由と対策について述べてみたい。
「感情」と「客観的意思」
我々は誰もが、人々の心を動かすようなキャンペーンを生み出したいと考えている。例えば、オールドスパイスの『The Man Your Man Could Smell Like』やキャドバリーの『Gorilla』。あるいは、P&Gの『Thank You, Mom』……。
人の感情に訴える広告は効果的だ。だが、たった1人のフィードバックが万人のそれを代表し得るだろうか。
全てのマーケターは、ブランドにとって最善の選択を客観的に判断しなければならない。「個人的には好きではないが、効果は期待できる」 −− こう述べるCMOは、主観的な嗜好と戦略的判断を分けて考えられる優れた能力を示している。大切なのは、個人の好みではなく、ブランドにとって最善の選択なのだ。
では、どうすればそうした結果を引き出せるだろう。
アイデアを評価する難しさ
ナイキの『Dream Crazy』やアップルの『1984』、ウェンディーズの『Where’s the Beef』といった伝説的なキャンペーンは全て、公開前に社内で反対にあった。それはある意味、当然だろう。クリエイティビティーの評価は難しい。だからこそ、プロに委ねるべきなのだ。
サーチ・アンド・サーチのチーフストラテジーオフィサー、リチャード・ハンティントン氏はこう喝破する。「アイデアとは、無形で極めてデリケートなもの。ゆえに、その評価は難しい。特に世に出たばかりの時点では、なおさらです。そのことを認識した上で、クライアントとエージェンシーの間でオープンに共有することが大切」
クリエイティブへの「共通認識」
多くのブランドは、クリエイティビティーやアイデアに関する明確な定義を持っていない。ゆえに混乱が生じ、個人の意見が支配的になってしまう。したがって、アイデアをどう評価するのか、事前にブランドの考えを関係者全員に理解させ、ブリーフに明記することが重要となる。
ベストプラクティスは、エージェンシーへのブリーフィングだけでなく、自社の計画や目標、新製品開発に関するパイプライン、競合他社の動向にも十分説明の時間をかけること。洗練されたマーケティングチームなら、どうアイデアを評価するのかエージェンシーにも理解してもらう。共通認識を確立させることで、誤解や内部の「権力闘争」を防げるのだ。
マーケティング効果に関するニュージーランドの権威、ジェームズ・ハーマン氏は自身のアプローチをこう説明する。
「まずクライアントとエージェンシーを1カ所に集め、マーケティング効果でカンヌライオンズなどの主要広告賞を獲得した10の作品を見てもらう。その結果を検証し、それぞれの戦略や効果を発揮した理由などを議論してもらう。私はこのケーススタディーの手法が最も効果的と考えています。
その後、グループに分かれ、効果的なキャンペーンとは何か、その条件をリストアップしてもらう。ここで作られるリストが、エージェンシーとマーケター双方にとってのプレゼンの評価基準となる。同じ評価基準、言い換えれば『優れた作品の定義』を共有することで、全てのプロセスが極めて容易になるのです」
評価は「技術」
クリエイティブアイデアの批評は、誰にとっても簡単だ。しかし、それがアイデアを進化させたり、建設的なフィードバックになったりするわけではない。個人的意見は、消費者との関連性はない。ベストプラクティスは、それを無視することだ。重要な点は、どういうアイデアがブランドとブリーフにとって最適なのか −− それに尽きる。
アイデアの評価は難しい。最良の結果を得るには、クライアントとエージェンシーが共通の認識を持つべきだ。アイデアを査定するには基準が必要で、それを設定するにはブリーフを活用すべきだろう。ブリーフに記されていない要素は、評価基準に含めるべきではない。明確な基準と共通の理解は、必ずや良い成果をもたらす。
あなたの配偶者や友人が広告業界のプロでない限り、善意の助言は遠慮なく無視しよう。
ピーター=ポール・フォン・ヴェイラー氏は、メルボルンのマーケティングコンサルティング会社ベターブリーフス(BetterBriefs)の共同創業者。