David Blecken
2017年7月12日

ユニクロが車いすテニスのトップ選手とアンバサダー契約

ゴードン・リード選手は、商品開発や社会貢献活動などに貢献していく。

ユニクロが車いすテニスのトップ選手とアンバサダー契約

男子車いすテニスで世界ランクナンバーワンのゴードン・リード選手が、ユニクロのグローバルブランドアンバサダーに就任した。リード選手はスコットランド生まれで、車いすテニスに転向した2年後の15歳のときに、英国人選手として最年少のシングルス国内チャンピオンとなった。リオパラリンピックでシングルス金メダル獲得、ウィンブルドン優勝などの実績を持つ。

リード選手はユニクロブランドと「LifeWear」コンセプトを広めていく他、商品開発に生かすためのフィードバックや、世界各地での社会貢献活動に取り組んでいく。

ユニクロの代表取締役会長兼社長である柳井正氏はプレスリリースの中で、リード氏のことを「苦難に打ち勝つ強い心で、車いすテニスの最高峰に登り詰めた」選手で、ユニクロのアンバサダーにふさわしい資質の持ち主だと説明。グローバルブランドアンバサダーには他に、国枝慎吾選手(車いすテニス)、錦織圭選手(テニス)、アダム・スコット選手(ゴルフ)や、女性で初めてのアンバサダーに昨年就任した南谷真鈴氏(冒険家)がいる。

Campaignの視点:
多様なアスリートとの提携を継続的に進めるユニクロの姿勢には、励まされるものがある。あらゆる人を社会から排除しない「インクルーシブネス」の推進は日本社会にとって大きな前進となり、日本発のブランドが2020年東京大会に先んじて積極的に発信していくことは大変有意義だ。

障害を抱えたアスリートと契約しサポートするこのような動きが、もっと多くのグローバルブランドからも出てくることを期待したい。障害者だから支える、という意味ではなく、彼らの偉業は健常者アスリートと同等に評価されて然るべきであるからだ。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

3 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

4 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

2024年4月23日

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。