同社の発表によれば、第1四半期における売上総利益のオーガニック成長率は3.9%で、前年同期比の17.7%増。収益は2298億1300万円(前年同期の1995億4200万円から15.2%増)、売上総利益が2172億6100万円(同1869億9000万円から16.2%増)だった。
国内事業では3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)とデジタルマーケティングサービスが業績に貢献し、売上総利益のオーガニック成長率は4.7%増。電通イージス・ネットワークでは同3.1%増となった。
電通イージスの売上総利益のうち56.9%を占めたのはデジタルサービスで、前年同期比の9.1%増。電通によれば「マークル(Merkle)」社などの買収がこの伸びに大きな役割を果たしたという。
アジア太平洋地域における電通イージスの売上総利益オーガニック成長率は4.5%。台湾、インド、インドネシア、シンガポール、豪州などが「好調に推移」(電通ニュースリリースより)し、中国も「勢いが増しつつある」。米州は同0.6%で、アルゼンチンやコロンビアが「成長を牽引」したが、ブラジルは「不確実な市場状況」が続く。欧州、中東及びアフリカは同5.8%で、EU離脱の影響が懸念された英国は「プラス成長を維持」した。
電通は引き続き、企業買収で電通イージスの事業を推し進めていく方針だ。第1四半期はスリランカのクリエイティブエージェンシー「グラント・グループ(Grant Group)」の株式過半数を取得し、同国に拠点を設立。更にインドネシアの独立系総合広告会社「ドゥイ・サプター・グループ(Dwi Sapta Group)」、デジタルトランスフォーメーションを専門とするスイスの「ブルーインフィニティ(blue-infinity)」も傘下に収めている。
(文:デイビッド・ブレッケン 編集:水野龍哉)