電通グループ全体でのオーガニック成長率(為替やM&Aの影響を除く内部成長率)は、第3四半期は前年同期比2.1%減、1~9月は1.0%減となった。
国内事業のオーガニック成長率は、5.0%減(第3四半期)。電通はこれを、2016リオ五輪など大型イベントの反動減や、労働環境改革推進の影響によるものとしている。同時期の海外事業のオーガニック成長率は0.2%減で、地域別にみると、アジア太平洋5.5%減、米州2.0%減、欧州・中東・アフリカでは5.9%増となった。
1~9月期の国内事業の売上総利益は、2631億円(前年同期比2.4%減)と前年を下回る結果に。同期間の海外事業のオーガニック成長率は0.0%だった。連結営業利益は637億円(1~9月、24.1%減)となった。
1~9月の売上総利益は、為替影響排除ベースでそれぞれ11.0%増(国内事業)と23.5%増(海外事業)。為替や、マークル社などの買収による影響を大きく受けたことが明らかになった。電通は1~9月に海外で17社を買収しており、これが679億円もの売上利益を生み出したとしている。
売上総利益に占める海外事業構成比は57.6%へと拡大した。また、年間35億米ドルに上る新規媒体取引を獲得し、この売上は来年度から貢献予定であることも、声明で発表している。
売上総利益に占めるデジタル領域の割合は43.0%(1~9月)で、非常に大きな存在感だ。国内では依然としてテレビCMの売上が大きな比重を占めるものの、デジタル領域は国内で21.5%(1~9月)、海外事業では58.8%(1~9月)である。
電通は通期(1~12月)の連結業績見通しは修正せず、1,365億円の営業利益を見込む。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)