David Blecken
2017年11月21日

WPP、一転してADK株売却に合意

米投資ファンドのベインキャピタルによる国内広告業界3位・ADKの買収が大きく前進した。ADKとWPPの20年に及ぶ提携も終わりを告げようとしている。

WPPのCEO、マーティン・ソレル卿
WPPのCEO、マーティン・ソレル卿

WPPはベインが提示していた1株3660円(33米ドル)で、保有するADK株の売却に合意した。

これまでWPPはベインの提示価格がADKを過小評価しているとして、ふた月近くにわたりADKとの間で激しい応酬を交わしてきた。今月初めには、20年間に及ぶ資本・業務提携関係を解消しようとするADKの動きに対抗して法的措置を開始。その後、株式公開買付け(TOB)不成立の場合にはADK株を更に保有する意向を示していた。

TOBに一貫して強く反対してきたWPPがなぜ矛先を収めたのかは、まだ明らかになっていない。同社は現在まで、Campaignからの質問状に対し回答を寄せていない。だがWPPとベインは、WPPにとって利となる将来的な協業の可能性について、どうやら合意に達したようだ。WPPのADK株売却合意が報じられた直後、ベインは以下のような声明を発表した。

「ベインキャピタルがADKの株式を上場した場合、被支配株主としてのWPPが、直接的ないし間接的にADKの株式を所有するベインの投資事業体に投資を行う可能性について、ベインはWPPと協議を行う。両社は将来的ないかなる協業に関しても、誠意を持って協議をしていく」

声明の中でベインのマネージングディレクターであるデビッド・グロス−ロー氏は、「現時点での両社間の提携に関し、秩序立った結論が得られたことに満足している」と述べた。

この合意によって、本日(11月21日)終了する予定だったTOBは12月6日まで延長される。ベインはADKの買収を成立させるために、50.1%の株式の取得が必要。ADKの第2位株主であるシルチェスター・インターナショナル・インベスターズと香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメントも、ベインの提示額には異議を唱えていた。

この記事はWPPとの合意に関するベインキャピタルの声明を受け、更新されました。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:大胆なアイデアで、気づきから行動へ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

1 日前

異例の五輪 社会貢献に注力したトヨタ

東京五輪の主要スポンサーだったトヨタ自動車にとって、今夏の大会は決して期待通りのものではなかった。だがアクティベイションを「社会善」に転換、消費者から大きな共感を得た。

1 日前

コンテクスチュアル広告はブランド想起を高める:IAS調査

コンテクスチュアル広告は、Cookieの有効な代替手段になるとの調査結果が発表された。

1 日前

バーチャルマーケティングの限界にどう対応するか:セールスフォース

データソースの爆発的な増加やバーチャルマーケティングの飽和、そしてパンデミックがもたらした市場の変化が定着する中でマーケターに求められるスキルアップなどについて、セールスフォースのAPACマーケティング担当シニアディレクターが語る。