David Blecken
2017年10月13日

WPP、買収を巡りADKを非難

WPPが新たに声明を発表し、ADKは成長機会を拒み、「破滅的投資」で自らを窮地に追い込んだと批判した。両社間の応酬がヒートアップしている。

WPPのCEO、マーティン・ソレル卿(写真提供:AFP通信)
WPPのCEO、マーティン・ソレル卿(写真提供:AFP通信)

ベインキャピタルによるADKの買収に抵抗を強めるWPPが、「ADKは業務提携関係を不適切に終了させようとした」と非難している。

WPPは新たな声明を発表、ADKが持つWPP株2.4%(5億7600万米ドル、約633億6千万円相当)の売却は株主の意思に反しており、これによって不利な課税を受け、確約された配当が無効になる可能性があると述べた。

この攻撃的な声明は、ADKが「この問題における立場を明確にし、ベインによる13億5千万ドル(約1520億円)の公開買い付けに賛同する」と火曜日に発表したことを受けてのもの。ADKは、「処分通知がなされてから365日が経過した時点において」両社のどちらかが提携関係を解消できるとし、WPPの「提携関係の解消は無効」という主張に異を唱えている。

声明の中でWPPはこれまでの主張を繰り返し、「公開買い付けはADKの価値を著しく過小評価している」と強調。ADK株を2番目に多く保有するシルチェスター・インターナショナル・インベスターズも同様の考えを発表した。

更にWPPは、ベインの申し出に対しADKが代替案の検討を明らかに怠ったと唱えている。「ADKの取締役会は私欲のみで判断を下し、株主の利益となるオプションを考慮しなかった」というのだ。ADKは、買収先となり得る他の企業に打診を図ったが、最終的にオファーを出したのはベインだけだったとしている。

ベインの申し出が明るみに出た際、ADKはWPPとの提携関係で「具体的な利益を生み出せなかった」とし、デジタル面や海外市場での成長といった将来的目標を達成するため、関係を解消する必要性に迫られたと表明している。

これに反し、WPPはADKがその役割を全うできなかったと主張。「ADKの経営陣は海外での事業展開やデジタル面での成長機会を一貫して受け入れず、日本文芸社やアニメ制作会社ゴンゾなどの破滅的な買収を行い、加えてDAC(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム)を不当に安く売却、ビデオリサーチインタラクティブの持ち株を減らした」などと述べている。

ADKの不適切な経営を追求する一方で、WPPは法的措置を講じる可能性については言及していない。だがシルチェスターは10月4日付の声明で、もしADKとWPPが合意できなければ「訴訟となるリスクの高さ」を指摘している。

ADKは今のところ、WPPの声明に対するコメントは発表していない。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

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