Staff Reporters
2020年6月22日

コロナ禍にトヨタが訴えること

企業はいかに、消費者とパンデミックを乗り切るべきか −− トヨタ自動車は地域社会との共生をうたう。

人が移動することで成り立つ自動車業界が、新型コロナウイルスのパンデミックで大きな打撃を受けたことは言うまでもない。ロックダウン(都市封鎖)の最中、「巣ごもり」を強いられた消費者は仕事や娯楽で車を使うことも、ディーラーに行くこともままならなかった。

自動車メーカーの多くが表立った活動を控えるなか、いくつかのブランドはコロナ後を見据え、消費者のエンゲージメントを維持しようと模索してきた。トヨタが新たに公開したキャンペーン動画(上)もその一例だ。ADKシンガポールが制作したヒューマンなこの作品は、東南アジアでパンデミックと闘う同社の取り組みとともに、移動の自由やビジネスが少しずつ回復し始めたことを示す「希望」も描き出す。

皮肉な見方をすれば、この動画は地域への支援の自画自賛だろう。だがストーリー性を前面に出し、ロックダウンされた街の侘しさとドライブ旅行の楽しさを対比させて、カスタマージャーニーに焦点を当てている点は印象的だ。

今、徐々に日常が戻り始めてはいても、「ニューノーマル」の世界は数カ月前のそれとはまったく違うものになるだろう。動画の終わりでは、初めに登場する幸せそうな家族が再びドライブ旅行に出る様子が描かれる。こうした描写は将来、衛生面への配慮やバーチャルドライブなどのビジネスイノベーションを含むようになっていくのだろうか。

(翻訳・編集:水野龍哉)

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