David Blecken
2019年4月08日

オグルヴィとジオメトリー、日本で単一P&Lモデルへと移行

日本市場においてのみ、新しい組織構造を採用することに。

オグルヴィのみならずジオメトリーの運営にも携わることとなるジャック・ミックル氏
オグルヴィのみならずジオメトリーの運営にも携わることとなるジャック・ミックル氏

オグルヴィとジオメトリーは日本国内において、単一の法人として事業を展開していく。新会社の名称はジオメトリー・オグルヴィ・ジャパンとなる。

新体制では、オグルヴィとジオメトリーを一つの経営陣が運営するが、両ブランドとも維持される。

同社が顧客に宛てた通知をCampaignが確認したところによると、今回の統合によって「顧客のマーケティングコミュニケーションのニーズに、より的確に応える統合的なサービスを、包括的なネットワークで提供する」とのことだ。

ジオメトリー・オグルヴィ・ジャパンの経営陣には、CEO/執務執行者に太田一郎氏、共同社長にジャック・ミックル氏とマイク・バズビィ氏、CFOに椎名礼雄氏、チーフ クリエイティブ オフィサーにダグ・シフ氏、チーフ ストラテジー オフィサーにギャレス・エレン氏が就任する。

太田氏は2014年からジオメトリー・グローバル・ジャパンのマネージング・ディレクター、バズビィ氏は2013年から同ノースアジア マネージング・ディレクターを務める。ミックル氏は2017年、トッド・クルッグマン氏の後任としてオグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンのCEOに就任。シフ氏は昨年より、アジャブ・サムライ氏の後任としてチーフ クリエイティブ オフィサーを務める。

オグルヴィのアジア太平洋地域におけるコミュニケーションヘッド、グレッグ・カートン氏によると、両者の統合によって重複性は発生していない。可能な限り業務の無駄をなくすことは理にかなっていると、同氏は語る。

Campaignの理解では、ジオメトリーとオグルヴィの2社をこのような一つのビジネスモデルで運営するのは、日本市場においてのみ。ジオメトリー・グローバルは2013年に、WPPがオグルヴィ・アクション、G2Tokyo、JWTアクションを独立したネットワークとして統合して誕生した。日本における主要クライアントは、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)など。

なぜ日本市場においてのみ、新たな組織構造を採用することとなったのか、カートン氏は明らかにしなかった。同氏は、他市場でこのモデルを採用するとは予想していなかったという。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:グーグルがCookie廃止方針を撤回

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

3 日前

リテールメディアネットワークが、アジア太平洋地域で人気を集めている理由

小売や流通の企業が、リテールメディアネットワーク(RMN)を続々と立ち上げている。アジア太平洋地域におけるRMNの機会や懸念、有効性を探る。

3 日前

ほとんどの大企業が「グリーンハッシング」をしていることが判明

FTSE100のうち63%がESGの進捗状況を控えめに開示し、積極的なコミュニケーションを展開していないことが、調査で明らかになった。

3 日前

日本に注目する、世界のスポーツ市場

アスリートたちの世界的活躍、安定性・持続可能性の高い投資環境……今、世界のスポーツ市場が日本に熱視線を送る。