Ryoko Tasaki
2021年4月09日

世界マーケティング短信:カンヌライオンズ、今年もオンラインのみ

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:カンヌライオンズ、今年もオンラインのみ

※記事内のリンクは、英語サイトを含みます。

カンヌライオンズ、今年もオンラインのみでの開催に決定

今年のカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルが、オンラインのみでの開催となることが発表された。エントリーの最終締切は4月15日。イベントに参加するためのデジタルパスや、視聴の特典が付く会員登録制度は5月より発売となる。詳細は後日発表される予定。

 

BBCの中国特派員、拠点を台湾に移す

中国に9年間駐在し、新疆ウイグル自治区に関する報道で受賞歴があるBBCの北京特派員、ジョン・サドワース氏が拠点を台湾に移した。妻のイヴォンヌ・マリー氏は、RTE(アイルランドの公共放送)の中国担当ジャーナリスト。サドワース氏によると、中国政府が取材してほしくない内容を同氏が取材していたため、圧力をかけられていたという。特にここ数カ月はBBCだけでなく個人に対しても、法的措置を取るという脅迫や、撮影中の妨害や嫌がらせが増えていたと語っている。

中国の外国特派員協会(FCCC)はこの件について、ツイッターに連続で投稿。同氏がここ2年間、期間の短いビザしか取得できなかったことに触れ、「新疆ウイグル自治区やCOVID-19パンデミック、その他の問題の報道において、中国当局が言うところの『超えてはならない一線』を繰り返し越えたことへの報復のようだ」と記した。中国ではこれまでにもニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなどのジャーナリストが18名、国外へと退去させられている。

 

デジタル広告の品質認証機関が設立

日本アドバタイザーズ協会、日本広告業協会、日本インタラクティブ広告協会の3団体が3月に立ち上げたデジタル広告品質認証機構(JICDAQ)が、ウェブサイトを公開し、登録受付を開始した。

JICDAQは「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外(“人”に届いていない広告配信の排除)」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティーの確保(明らかに違法・不当な広告掲載先の排除)」について、業務プロセスの認証基準を制定する。基準に沿った適切な業務を行う事業者を認証して社名を公開する他、理念に賛同する広告主の社名も公開し、インターネット広告の受注側と発注側とで広告品質の向上を目指していく。

 

ナイキ、「サタンシューズ」を訴える

米国のアート集団「MSCHF(ミスチーフ)」が、ラッパー「Lil Nas X(リル・ナズ・X)」とコラボレートしたスニーカーを発売し、これをナイキが商標権の侵害で訴えている。リル・ナズ・Xの新曲リリースに合わせて発売された黒いスニーカーには、ナイキのロゴマークや悪魔崇拝のシンボルである逆五芒星が施され、ソールには人間の血液が一滴含まれているという。

このスニーカーがきっかけとなり、ナイキ製品のボイコットを呼びかけるコメントがソーシャルメディアに続々と投稿され、ナイキはMSCHFやリル・ナズ・Xとは無関係であることを表明した。MSCHFは2019年にも、聖水入りのナイキスニーカーを発売している。

 

ワクチンで戻る「普通の日常生活」に思いを馳せて

COVID-19が世界的に流行し、当たり前だと思っていた日常生活が大きく変わってから1年が経つ。バーのハッピーアワー、子どもが友だちと遊ぶ約束、教会、結婚式……世界中のユーザーが、あらゆるイベントに「バーチャル」「オンライン」「キャンセル」「延期」といった単語を組み合わせて検索してきたことだろう。

そんな変化を振り返りながら、ワクチン接種によってコロナ以前の日常に戻ろうと呼びかける動画を、グーグルが公開した。

 

冗談では済まなかった、エイプリルフールのジョーク

例年さまざまなブランドがジョークを発信する、4月1日のエイプリルフール。Campaign編集部が選んだ作品の中から2点ご紹介しよう。まずは、インドの旅行予約アプリ「ixigo(イクシゴ)」が発表した、乱気流の揺れを相殺するクッション。同社は過去にも、交通情報や観光情報を映し出すスマートグラスや、泥棒を撃退する鍵などをネタにしている。

一方、冗談では済まなくなったのは、フォルクスワーゲンの社名変更だ。電気自動車の発売に合わせて、米法人を「Voltswagen(ボルツワーゲン)」に変更するという内容だったのだが、誤って3月29日にプレスリリースを公開。混乱を招いたことを謝罪する事態となった。

提供:
Campaign Japan

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