Ryoko Tasaki
2021年7月09日

世界マーケティング短信:ハラスメントに立ち向かう

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:ハラスメントに立ち向かう

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
 

MeToo運動から3年、根深い広告業界のセクハラ

ゾーイ・スキャマン氏(ボデイシャス社の設立者)が4日、ニュースレターサービス「サブスタック(Substack)」にて、「Mad Men. Furious Women」を公開した。18歳で広告の仕事に携わるようになってから、いくつもの職場でハラスメントの被害に遭ったことが、さまざまな女性から寄せられたハラスメントの体験談と共にまとめられている。

その後、匿名のグループが「広告業界に失望させられたすべての人々から」として宣言を公開した。スキャマン氏も手伝ったというこの宣言には、今までいかに酷い目に遭い、会社に相談しても守ってもらえなかったこと、だからこそ団結して徹底的に戦うことにした、と記されている。この宣言をリツイートする形で、自らの体験を共有したり、運動への支持を表明するなど、広がりを見せている。


コロナ禍の在宅勤務によって、セクハラが完全に無くなったわけではないが、今後オフィス勤務が再開するにつれ、ハラスメントが深刻化するのではないかと、ピッパ・グルックリック氏は(エレクトリック・グルー社のCEO)は懸念する。2017年秋にMeToo運動が世界的に広まり、翌年3月に設立した英団体「タイム・トゥー(timeTo)」は動画キャンペーン調査報告などを公開してきた。だが「ゾーイが明らかにしてくれたように、セクハラは今も日々起こり続けている」。

 

ピンタレスト、体型批判につながる広告を禁止

ピンタレストは今月より広告ポリシーを改訂し、減量に関連する広告をすべて禁止した。パンデミックからの復興や、夏へと向かうこの時期に、ボディーシェイミング(外見に対する批判)を防ぎメンタルヘルを守ることが目的だ。健康的なライフスタイルやフィットネス関連の広告は、減量にフォーカスした表現でなければ認められるという。

 

インターパブリック、ヘルスコミュニケーション2社を統合

インターパブリック・グループ(IPG)は、FCBヘルスとマッキャンヘルスを「IPGヘルス」という新しいグローバルネットワークに再編成する。IPGヘルスを率いるのはデイナ・マイマン氏で、エグゼクティブ・チェアマンとしてジョン・ケイヒル氏が就任する。レイオフや、エージェンシーブランドの消失は予定していない。IPGヘルスは世界6大陸で、ヘルスコミュニケーションの専門家5,300人を擁する。

 

子どもが巣立った後の計画も忘れずに

シンガポールの人々は、子どもの教育に熱心なことで知られる。自身の老後資金の2.5倍もの額を、子どもたちに投じるという調査結果もあるという。そんな同国でAIAグループ(生命保険大手)が、退職後の資産について考えるよう促すキャンペーンを開始した。ピアニストになりたいという娘の夢を熱心に支え続けた男性が、娘が巣立った後に生きがいを見失いかける。だが親として情熱を傾けてきたピアノに、自身も次の目標を見つける。制作はオグルヴィ・シンガポール。

 

一緒に過ごす時間の楽しさを、シンプルに訴求

主人公が語るわけでも、ナレーションで補足するわけでもなく、笑う人たちだけが次々と登場する動画が公開された。これはマクドナルドが英国で開始したキャンペーンで、家族や友人と食べながら過ごす時間がいかに楽しいものだったかを(特にコロナ禍で人との交流が激減したこの時期に)思い出させてくれる。制作はレオ・バーネット・ロンドン。

 

【お知らせ】
才能豊かな広告界の女性を選出する「Women To Watch」が、今年もエントリーを開始しました。エントリーの締切は7月23日(早期エントリー)、あるいは7月30日(通常エントリー)です。詳しくはこちら(英語)


(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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