Ryoko Tasaki
2019年10月31日

世界マーケティング短信: 「#MeToo」から2年、何が変わったのか?

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

農場に墜落したサムスン電子「宇宙自撮り」用の衛星(写真:ナンシー・マンビー・ウェルケ氏のフェイスブックより)
農場に墜落したサムスン電子「宇宙自撮り」用の衛星(写真:ナンシー・マンビー・ウェルケ氏のフェイスブックより)

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

ジェンダー格差は是正されたのか?

#MeToo運動が世界的に広まって2年になる。しかし、ハブ・ハー・バック・コンサルティング(HHB)が米国で実施した調査によると、職場やキャリアにおいて何らかの変化があったと実感する女性はわずか15%であった。経営幹部と従業員、男性と女性の間では認識に大きな隔たりがあることも明らかに。「優良な企業は、従業員や顧客にとって重要な課題が、解決されるよう支援しています」と、HHBの共同設立者であるキャロライン・デットマン氏は語る。

また企業のジェンダーバイアス関連のニュースが報じられると、61%の女性はその企業の商品を購入することを控え、47%が否定的なニュースをSNS上でシェアすると回答した。「労働人口の約5割、そして購買力の8割超を占めるのは女性です」とHHB共同創業者、エリン・ギャラハー氏。「ジェンダー平等は女性の問題でなく、人間としての問題であることを、#MeToo運動は明らかにしました。誠実に対応すれば、これまで以上にビジネスの成長の推進力となり得ます」

サムスン電子の「宇宙自撮り」衛星が墜落

サムスン電子がGalaxy(スマートフォン)のプロモーションとして宇宙に飛ばした小型衛星が、米国の農園に落下した。「Space Selfie(宇宙自撮り)キャンペーン」は、同社サイトに登録して自撮り写真をアップロードすると、衛星に搭載されたGalaxyが宇宙を背景に撮影してくれるもの。制作はBBHロンドン。

Google、広告収入が大幅増

グーグルの第3四半期の広告収入が前年同期(289億米ドル)から大きく増え、330億米ドルに達した。サンダー・ピチャイCEOによると、この大躍進を支えたのはモバイル検索、ユーチューブ、クラウドであった。親会社アルファベット社の売上高は404億米ドル(前年同期は337億米ドル)で20%増だが、純利益は70億米ドル(前年同期は92億米ドル)と23%減。これまでアルファベット社の収益の大部分は、広告によるものであった。

死角となっている消費者

WPPの豪州・ニュージーランド法人の最新レポートによると、50歳以上の消費者は最も豊かで可処分所得も多く、娯楽、自動車、健康、旅行などほぼ全てのカテゴリーにおいてミレニアル世代の消費額を上回っている。さらに94%もの人たちが、企業や組織のマーケティングコミュニケーションを嫌っている。新しいブランドを試してみたいと考えている人は89%、満足しなくなったブランドから乗り換えたという人は79%にも上る。それにもかかわらず、マーケターからのブリーフで50歳以上の消費者をターゲットにしているものは、5%にも満たないという。この「死角」を認識し、マーケティング施策を再構築する必要がありそうだ。

カンヌライオンズ2020、テーマと新カテゴリーが発表に

カンヌライオンズの来年のテーマと、クリエイティブ・ビジネス・トランスフォーメーション部門の新設が発表された。また、PR部門も審査基準を刷新。コミュニケーション業界の現状とPRの専門家が直面する課題をより反映するよう見直された。

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

6 時間前

日本の広告詐欺、依然として世界最悪レベル:IAS調査

日本のビューアビリティは世界でも最低水準で、アドフラウド(広告詐欺、不正広告)率も最も高い水準 −−インテグラル・アド・サイエンス(IAS)社の最新調査で、日本のウェブ環境が依然として改善されていないことがわかった。

1 日前

スパイクスアジア2022、エントリー始まる

35回目を迎える「アジアのカンヌ」こと、スパイクスアジア。来年は「クリエイティブデータ」と「ソーシャル・アンド・インフルエンサー」の2部門を新設。タングラムスアワードはスパイクスアジアに統合され、「ストラテジー・アンド・エフェクティブネス(戦略と有効性)」として生まれ変わる。

2021年10月15日

最先端D2Cブランドから学ぶべきこと

成功したD2C(Direct-to-Consumer)ブランドは、直販事業者だけにとどまらず、しばしば一般の消費者ブランドをもインスパイアするような、最先端のマーケティングを実践している。

2021年10月15日

TikTokワールドへようこそ

私たちは10年以上前から、ソーシャルメディアが大きな影響力を持つ世界で暮らしている。だが、マーケターのゲームを一変させるTikTokのようなプラットフォームが現れることはめったにない。