David Blecken
2019年5月10日

電通、「透かすブランド」を募集

電通が展開を狙う「スケスケ展」。自社プロダクトの「骨組み」を見せることで、スポンサーは新たな顧客を呼び起こせるか。

電通による、「スケスケ展」のプロモーション用イメージ
電通による、「スケスケ展」のプロモーション用イメージ

生活に関わるモノからヒト、生物に至るまで内部のメカニズムを展示する「スケスケ展 −− スケると見える仕組みの世界」。電通はこの度、同展の海外におけるフォーマット販売権(展示会のコンセプトや設計図、データを共有し、現地制作を行う)とスポンサーセールス権を獲得した。

同展は昨年福岡で開催され、8万5000人を動員。海外展開によって各国の企業や教育機関に「マーケティング機会の創出と最大化に資するサービス」を提供していく。

電通スポークスパーソンによれば、スポンサーは「自社プロダクトの構造を展示する新たなブースの設置が可能になる」。福岡ではキリンが透明の自動販売機模型を、河合楽器は来場者が自由に演奏できる透明のピアノを展示した。

福岡で展示された河合楽器のピアノ(写真提供:電通)


子どもへの教育的要素も強いこのエキシビション。ブランドにとっては大人だけでなく、未来の消費者に親しみを持ってもらう機会となる。

「海外展開ではさまざまな市場でグローバルに展開するブランドやローカル企業のプロダクトのブースを設け、『遊びつつ学べる』という文脈でプロダクトの技術や仕組みを理解してもらう場にする」と同スポークスパーソン。

「アジアに限らず、欧米でも積極的に展開していきたい」とも。

広告代理店にとって「経験価値」は新たな成長分野で、この手の催しへの直接投資は増加傾向にある。4月に広島で開かれたアーバンスポーツの祭典「FISE」では、ADKがインベスター兼共同プロデューサーとしての役割を担った。マーケティングとスポンサーシップ両面での利益創出、クライアントにとっては新たなオーディエンスにリーチできる場とすることが目標だった。

だが、こうした事業は常に順調に事が進むわけではない。電通イージス・ネットワークは、ウッドストック50周年を記念したコンサート「ウッドストック50」の財政的援助を断念。現在、批判の矢面に立たされている。同社は3000万米ドル(約33億円)を出資後、「オーガナイズが難しすぎる」として先月後半にコンサートからの撤退を決定した。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

21 時間前

電通、ネットゼロへの野心的取り組み

今から1年前、温室効果ガス排出量を2030年までに46%削減すると発表した電通インターナショナル。その歩みは順調だ。

2021年10月22日

世界マーケティング短信:コロナ禍前の水準に近づく広告界

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2021年10月22日

中国若年層への動画、ゲームの利用制限にどう対応すべきか

子どもの動画やゲームの利用時間を制限する中国当局の新たな規制に、バイトダンス、クアイショウ、テンセント、ネットイースいった大手企業が応じるなか、マーケターはこれにどう対応すべきだろうか。中国を拠点とするエキスパートに話を聞いた。

2021年10月22日

ポストパンデミック、ブランドは消費者に忘れられつつある

英エージェンシーのアイリス(Iris)による最新の「パーティシペーション・ブランド・インデックス」は、消費者のブランド認知が危機的状況にあることを示している。