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WPPがグローバルリーダーの人事を発表
WPPがグローバルの主要経営陣の人事を発表し、ローラン・エゼキエル氏がオグルヴィグループのグローバルCEOに就任することが明らかになった。オグルヴィのグローバルCEOを務めてきたデビカ・ブルチャンダニ氏は、WPPの最高執行責任者(COO)として、世界各国のクライアントの成長を推進する責任を担うことになる。
エゼキエル氏は16年在籍したピュブリシスに戻ると報じられていたが、WPPグループに残ることに。同氏は、ザ コカ・コーラ カンパニー専任のチームであるWPP Open Xのエグゼクティブ・スポンサーも兼任し、CEOにはフロリアン・トリポリノ氏が就く。
9月1日にWPPのCEOに就任したシンディ・ローズ氏は声明で「WPPが次の成長段階へと進み、急速に変化する市場でクライアントが勝ち続けることを確実にする上で、彼らの総合的な専門知識は、重要な役割を果たして私をサポートしてくれると思います」とコメント。ブルチャンダニ氏は「私たち全員がこの新しいWPPを始めるにあたり、目の前にある計り知れない可能性に活力を感じています。WPPの世界クラスの力を結集させれば、私たちはクライアントに比類なき価値をもたらす無敵の力になると心から信じています」と述べた。
エゼキエル氏は、オグルヴィを率いることを「大変光栄に思います」と語る。「オグルヴィの未来は明るく、私たちのチームやクライアントと共にマーケティング史の次の一ページを記す一員となれることを大変うれしく思います」。
スタグウェルがイスラエルのために実施した調査に批判
米スタグウェル(Stagwell)が、イスラエル政府のために大規模な調査とメッセージのテストを実施したとドロップ・サイト・ニュースが報じた。スタグウェルはアセンブリー(Assembly)、フォースマン&ボーデンフォース(Forsman & Bodenfors)などを擁し、今年1月にはADK GLOBALの買収を発表している。
リークされたという同社のプレゼンテーション資料は、欧米の13,000人以上を対象に調べた「紛争におけるイスラエルの立場を改善するための、メッセージとキャンペーン」について言及。人々のイスラエルに対する認識や、効果的なプロパガンダを検証し、「ジハード主義の脅威に対する恐怖が、欧州全土に広がっている」としている。
そして、効果があったメッセージは「ハマスが死と憎悪の文化を育み、残虐行為を称賛している」「ユダヤ人には祖国が必要である」「ハマスは現時点で諦めるべき」といった内容のものだった。これらのメッセージを発信したところ、調査を行った全ての国で平均20ポイント以上の変化がみられたという。
報道を受けて、ボダシャス(Bodacious)の創設者であるゾーイ・スキャマン氏はリンクトインに、スタグウェルで働く人々は「才能やクリエイティビティー、人間性をこの組織の一部にすることを拒否しよう」と会社を辞めるよう呼びかける内容を投稿。1000件を超える「いいね」や、180件以上のリポストがついた。
英ラッシュ、ガザの飢餓に抗議して英国内の全店舗を閉鎖
英コスメブランドのラッシュ(Lush)が3日、パレスチナ自治区ガザで続く飢餓に抗議するため、英国内の全店舗を1日閉鎖し、「ガザの基金を止めよう」というメッセージを掲示した。
同社の声明には、このように記されている。「ラッシュが1日分の売上を失うことは、英国政府もラッシュやお客さまからの税収を失うことになります。死と破壊を直ちに止めるためには、英国からの武器販売停止など、政府のさらなる行動が必要です。店舗閉鎖のメッセージに、政府が耳を傾けてくれることを願っています」。
同社は昨年、パレスチナ支援の資金調達のためスイカ型の石鹸を発売した。特定の目的のために資金を調達する同社の活動の中で、最も成功したチャリティー商品となったこの石鹸を、再び販売する予定であることも併せて発表された。
(文:田崎亮子)