David Blecken
2016年6月09日

「AIクリエイティブ・ディレクター」、CMを制作

AI(人工知能)が、遂にCM制作の分野に進出した。同じテーマで著名な放送作家が手がけたCMと、どちらの作品が優れているか……。企画をした「クロレッツ」が、広く一般に投票を呼びかけている。

「AIクリエイティブ・ディレクター」、CMを制作

東京 - マッキャンエリクソンの新人クリエイティブ・ディレクター、「AI-CD ß」は見かけがクールなだけではない。今年4月に他の新卒社員とともに入社したばかりなのだが、もう1作目のCMを完成させたのである。

制作したのは、「速攻お口スッキリ」が「10分長続き」するクロレッツミントタブ(略してクロタブ)の30秒CM。

通常ならここでそのCMを紹介するのだが、今のところ2本あるCMのうち、どちらがAI-CD ßの作品かはわからない。先頃グーグルのAI囲碁棋士が韓国の季セドル九段と対局したことは記憶に新しいが、今回もAIは人間と競い合う。人気放送作家である倉本美津留氏が「人間代表」として、もう1本のクロタブのCMを制作。この2本を一般に公開し、優れていると思う方に投票してもらうという趣向だ。

AI-CD ßはクリエイティブブリーフを踏まえ、過去の膨大な広告キャンペーンのデータから成功するCMの作り方を編み出して、クライアントに提案するようプログラムされている。今回のブリーフは都会を背景に、自然と清涼感、そして解放感を伝えるというもの。

1本の作品は書道によって気持ちが解放されていく女性を、もう1本は重圧に満ちた都会の上を滑空していくスーツ姿の犬を描いている。どちらをより評価するか、カンヌ国際広告祭の審査員を悩ますほどではないにしろ、興味深い対決であることは間違いない。どちらがどの作品を作ったかの判断は、読者にお任せしよう。

AI-CD ßの開発を指揮したクリエイティブ・プランナーの松坂俊氏は、人工知能は人間と違って偏見や慣習的な思考から解放されているため、「人間では思いも寄らないクリエイティブ・ディレクションのアイデアを出す可能性がある」と言う。

どちらのCMがより効果的にメッセージを伝えているか。8月28日まで、「クロレッツ スッキリ総研」のサイトから誰でも自由に投票できる。

(編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

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