Laura Robbie
6 時間前

AI活用のメンタルヘルス 信頼性に疑問

メンタルヘルス対策に導入されるようになったAI。だが英調査会社ユーガブがインドネシアと香港で行った調査で、「プライバシー」「共感性」「パーソナル化」などの点で人々に抵抗感があることがわかった。

AI活用のメンタルヘルス 信頼性に疑問

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

この10年で大きな話題となり、関連産業が急速に成長するメンタルヘルス。米調査会社グランドビュー・リサーチの報告書によると、アジア太平洋地域のメンタルヘルスアプリ市場は昨年、約20億米ドル規模に達し、今後5年間で2倍以上に拡大するという。

加えてチャットボットやムードトラッカー(日々の気分を記録し、可視化するツール)といったAIを活用したソリューションに注目が集まり、世界での支出額は今年18億ドル、2030年には80億ドルに達するという。

だがAI導入には懐疑的な見方もある。ユーガブが弊誌のためにインドネシアと香港で実施した調査では、AIを活用したメンタルヘルスツールを試したことがある人は約4分の1(インドネシア24%、香港22%)。多くの人々は未体験だ。

 

ムードトラッキングから危機時のサポートまで

AIをいち早く取り入れた人々は、様々な形で活用する。最も一般的なのはムードトラッキングと行動分析で、インドネシアでは46%、香港では45%。また自己診断・症状のチェックにも利用する(インドネシア41%、香港54%)。チャットボットを使った感情のサポートも利用率が高い(インドネシア40%、香港46%)。

体系化されたツールを利用する人も増えている。マインドフルネス(現在起きていることに集中する心理的過程)のエクササイズや認知行動療法(CBT)など、パーソナル化されたツールの利用者はインドネシアで25%、香港で39%。リスクに直面した際にサポートしてくれるツールはインドネシアで21%、香港で38%。スケジュール管理やリマインダー機能の利用者はそれぞれ27%、36%だった。

 

こうした結果を総括すると、実験的な幅広い利用法が増えていることがわかる。AIを単なる安心材料や感情のトラッキングだけではなく、体系的な自己改善やリスク対策に活用しようという試みだ。その頻度に差異はあるものの、AIを使おうという意欲は明らかに高まっている。

AI活用への躊躇

一方、AIを使ったメンタルヘルスツールを試したことがない人は、主に3つの懸念 −− 安全性、共感性、パーソナル化 −− を抱く。

安全性に関しては、プライバシーとデータ保護への懸念が強い(インドネシア45%、香港42%)。精度に対する不安も多く、インドネシアでは24%、香港では39%の人々が有害、あるいは誤ったアドバイスをされるのではと不安視する。

共感性や人間味の欠如も多く指摘。香港では39%がAIの感情知能を疑問視し、45%が人間的なニュアンスを理解できるのか疑問を持っている。インドネシアも同様の傾向で、それぞれ31%、30%だった。

パーソナル化に関しては、AIが汎用的すぎると感じている人が少なくない。インドネシアでは18%、香港では36%が「人間味がない」「特定のニーズに十分答えていない」と答えている。

 

ユーザーはAIの実験的利用に前向きだ。しかしメンタルヘルスというパーソナルな感情の領域では、AIの安全性と共感性、真のパーソナル化を実現できなければ、信頼を失うリスクが高くなるだろう。

調査方法:この調査は2025年8月、オンラインで実施。回答者はインドネシアで1,007名、香港で503名。



ローラ・ロビー氏はユーガブのAPAC CEOを務める。

 

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