Rahul Sachitanand
2020年8月27日

AKQAロンドンの中出氏、R/GA東京ECDに

AKQAロンドンのクリエイティブチームを16年間牽引してきた中出雅也氏が、R/GA東京のECD(エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター)に就任する。

AKQAロンドンの中出氏、R/GA東京ECDに

中出氏はAKQAロンドンに16年間在籍、クリエイティブの責任者として世界の舞台で活躍した。今後はR/GA東京のECDとして、クリエイティブ部門を担っていく。

同氏の欧州における仕事歴は20年以上。長らくECDを務めたAKQAロンドンでは、フォーエバーマーク、VSCO、フォード、ブルガリ、ベライゾン、コテックス、無印良品、さらにはカテゴリーを超越したナイキのプロジェクト(『ジ・オリンピックス』や『グローバル・ナイキ・ウィメン』、『ナイキ・トレーニング・クラブ』、『ナイキ・ラン・クラブ』)など、最重要クライアントのクリエイティブを牽引した。

「これまで地球の反対側で、『異邦人』としての立場を享受してきました。おかげで、世界を違う視点から見られるようになった。欧州での20年間を経て、今の日本を違う視点から見られるか楽しみです」と同氏。

「ロンドンの文化は多様性があり、人々は常に変化を求めて自分の意見を率直かつオープンに語る。日本でも、自分がよく理解する文化に敬意を払いながら、オープンな議論を促していきたい」。概して今のテレビ番組は、「上から目線でフェイク」。「ブランドからのメッセージも大差がない。こうした側面は変えていかねばなりません」。自分が注力する要素としては、「仕事と人間、生活のクオリティー」を挙げる。

今は広告業界にとって難しい時期だ。コンサルティング会社やGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)の参入、業務の国際化などで業界は大きな変革の最中にある。大手エージェンシーが苦慮する一方、機動性の高い中小エージェンシーはそれにうまく対応できていると言えよう。「幸い、R/GA東京は機動力のある小さなチーム。その仕事振りをチェックし、どうやって進化し、適応するか戦略を練るのはやり甲斐がある。このタイミングで日本に戻るのは、とてもエキサイティング。R/GAで働くのも然りで、とても楽しみにしています」。

R/GA東京の鈴木洋介MD(マネージングディレクター)は、「事業が成長するにつれ、中出氏がマネージメントに加わることはより大きなメリットになる」と話す。「2017年に東京事務所をスタートさせてから、我々は国内外のクライアントとの協働で飛躍的な成長を遂げた。競争の激しいこの業界で、彼の参加は我々の大きな強みになると確信しています」。

(文:ラウル・サチタナンド 翻訳・編集:水野龍哉)

タグ

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

3 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

3 日前

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。