Ryoko Tasaki
2019年4月11日

AOY TYO Holdingsがベトナムのエージェンシーをグループ化

日本のプロダクションが、ベトナムのエージェンシーの株式を取得。財務面のみならず、クリエイターへの良い刺激となることが期待される。

ホーチミン(写真:Shutterstock)
ホーチミン(写真:Shutterstock)

AOI TYO Holdingsは、ベトナムのデジタルクリエイティブエージェンシー「APRIL ADVERTISING JOINT STOCK COMPANY(以下、エイプリル社)」の株式を取得し、5月よりグループ会社化する。

AOI TYOグループは成長領域の一つとして海外事業を強化するため、東南アジア市場でのネットワーク拡大を推進中だ。同社が発表したプレスリリースによると、「ベトナムの広告市場は順調に拡大を続け、中でもオンライン広告市場は今後も20%を超える高い成長率を維持することが見込まれて」いるという。

エイプリル社はデジタルマーケティングを基盤に、広告コンテンツ制作、既存メディアと体験イベントの連動、アプリ開発などを幅広く手掛ける。「独自の豊富で優良なクライアントリソースを持ち、若くて有能な経営陣や人材にも恵まれており、ベトナムの業界平均以上の成長を続けています」と、その強みをAOI TYO Holdings海外戦略部の山口秀和部長は語る。

プロダクションがクリエイティブエージェンシーをグループ化するという動きは、他ではあまり見られないものだが、山口氏によると、エージェンシーとの良好な関係構築がプロダクションの事業展開の主軸である日本と、海外とではそもそもエージェンシーとプロダクションの役割や機能が異なる。そのため日本と同じような考え方で事業を拡大していくことは難しいのだ。グループ各社が数年前から海外で広告・映像制作を展開してきた中で、「クライアントのビジネスそのものにも関与できる戦略・企画力の実装が不可欠」だとの認識に至った。2016年にはタイでデジタル・クリエイティブ・エージェンシーと提携し、その相乗効果も高まってきている。

今回のグループ化により、連結業績の利益面での貢献や、グループ会社と東南アジア地域での協業効果はもちろんのこと、「自由闊達でしがらみの少ないベトナムのクリエイターたちが、制約の多い日本のクリエイターたちを刺激し、インスピレーションを与える効果も期待している」と山口氏。

海外事業の強化で重視しているのは「規模より質」だ。「特にアジア新興国のZ世代(1990年代後半~2000年代前半生まれ)の、有能な人財との関係づくりが重要」(山口氏)で、そのような人財が起業・経営するエージェンシーの発掘は今後も続けていくという。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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