マーク・リード氏はアンドリュー・スコット氏との連名で、WPPの13万人強の社員に通達を出し、マーティン・ソレル卿の衝撃的な辞任表明後も「グループは現在の傑出したスタッフとともに偉大な企業として、世界的エージェンシーとして存続していく」と言明した。
また、「先週の出来事が我が社に変化を及ぼすことは一切ない」とも付記。
アナリストはWPP傘下の調査会社やPR会社がグループから切り離されると予想するが、「クライアントはより迅速で総合的なソリューションを求めており、そうした動きは無意味。我々は互いに距離を置くのではなく、より結束しなければならない」とも。
更に、WPPは「クライアントだけでなく、フェイスブックやグーグル、マイクロソフト、アドビといったテック企業(ソレル氏がこれらを『友人だが、敵』と呼んだことはよく知られている)ともより近しい関係を構築する」と言及。「クライアントが全てのグループ会社のサービスに出来る限りシンプルにアクセスできるよう、構造とオファーの改革に努める。今後はデータとテクノロジー、クリエイティビティーをソリューションの中心に据えていく」。
4月14日、ソレル氏が個人的不正行為の申し立てにより辞任すると(本人は不正を否定)、WPPはリード氏とスコット氏を共同COOに任命。新たなCEOの選出にも着手した。
この措置に際し、WPPは責任を二分化。リード氏はクライアントや会社の運営、スタッフを司り、スコット氏は財政や業績面、グループの再編を監督する。
第1四半期の業績を報告する4月30日には、今後のより詳しい戦略を公表する予定だ。
WPPが、関連会社を含めた世界中の全スタッフ約17万人にこのようなメールを送付するのははじめてのこと。
過去には、こうしたメールはWPPの各エージェンシーのトップがそれぞれの社員に送っていた。
(文:ギデオン・スパニエ 翻訳・編集:水野龍哉)