Donald Pirie
3 日前

人々はなぜ、WPPの悪口を言うのが好きなのか?

広告業界は、落ちぶれるのは誰がと予想することが大好きだ。しかしWPP、ピュブリシス、アクセンチュアのいずれも、まだ未来を予測できていない――さまざまな広告大手で経験を積み、現在はコンサルタントのドナルド・ピリー氏はこう指摘する。

写真:ドナルド・ピリー
写真:ドナルド・ピリー

* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。

リンクトインを数分間スクロールすればすぐに、WPPの不幸や失敗への嘲笑といったおなじみの投稿を目にすることだろう。マーク・リードCEOの戦略への批判、株価への辛辣な意見、好調なピュブリシス・グループとの比較など、WPPが窮地に立たされているという内容が嬉々として語られ続けている。

確かに、WPPは困難に直面してきた。CEOに就任したシンディ・ローズ氏の任務は困難を極める。株価は好調とは言い難い。そして他の老舗広告会社と同様、WPPもマーケティングサービスの変革という構造的な大変革に苦戦している。しかし、同社の苦境について分析する際は、あまりにも熱がこもっているように感じる。

「マスターカードを獲得したが、それでマース失注の損失を埋めるには至らない」

「オムニコムやピュブリシスに後れを取っている」

「規模が大きすぎて、動きが鈍く、行き詰っている」

否定的な意見は声高に叫ばれるが、その多くはただの憶測だ。

圧力にさらされているグローバル企業ならどこでもそうだが、WPPも買収される可能性がある。分割される可能性もある。同じ構造的な逆風に直面している持株会社であれば、どこでも同じことが言える。

多くの見解は、外部から見た憶測に過ぎない。

内部から見れば、状況はより繊細かつ有望に映る。

規模は負債か、それとも強みか?

WPPの規模は、弱点として捉えられることが多い。しかし規模を活用すれば、それは強みとなり得る。ブランド、データ、メディア、コマースを統合する能力は、依然として多くのライバルが追い求めるものだ。分断された環境では、統合が重要となる。

奥行きも特筆すべき点だ。WPPはブランド、デジタル、コマース、メディアの各分野の、最も経験豊富な人材を擁している。このようなレベルの専門性を、小規模な競合他社が真似するのは難しい。複雑な課題に取り組むクライアントにとっては今も、規模が強みとなり得る。

これは、変革が完了している、あるいは完了間近だという意味ではない。大規模な文化の変革はゆっくりと進むもので、多くの人にとってはペースが遅すぎるかもしれない。それでも変化は起きている。広大な傘の下でエージェンシーが緩やかに結びついていた旧来のモデルは、AI、データ、クリエイティビティーの連携が進歩することで、より統合されたモデルへと移行しつつある。

その目標は長期的なものだ。投資家や評論家を苛立たせるような時間軸かもしれないが、進むべき方向性を認識すべきだろう。

では、なぜ嫌われるのか?

なぜ WPP は、これほど執拗に批判を受けるのだろうか?

理由の一つは、WPPが今もなお非常に大きな企業であることだ。その圧倒的な規模と認知度によって、同社は批判の的となっている。また、マーティン・ソレル氏の時代の「悪の帝国」というイメージが、同氏の辞任から数年経った今でも残っている。私がマクドナルドで働いていた頃、抗議者たちが集うのはマクドナルドの店舗の外であって、ウェンディーズには関心を示さなかった。怒りを買うような大手ブランドであるということは、逆説的ではあるが、褒め言葉にもなるのだ。

また、ドラマチックな展開を好むという業界特有の傾向もある。「ピュブリシス・グループは統合に成功した」「オムニコムの業績が好調だ」「アクセンチュアとデロイトが他社のシェアを奪っている」といった見出しは人目を引く。だが、組織の内部事情を知る者であれば、現実はもっと複雑だと知っている。統合はどこでも厄介な問題であり、変革はあらゆる大手企業にとって未完了なのだ。

見出しの裏側

WPPは顔の無い一枚岩の組織ではないということを、忘れてはならない。大きなプレッシャーの中で最善を尽くそうと奮闘する、聡明で献身的な人材が多数在籍している。絶え間ない批判には、疲弊させられるだろう。そして、その間も仕事は続く。クライアントへのサービス提供、キャンペーンのローンチ、そして変革は段階的に、そして不完全ながらも真摯に続いていくのだ。

確かなのは、WPP、ピュブリシス、オムニコム、アクセンチュアといった巨大企業のどれも、未来に向けた明確な戦略を持っていないということだ。AIから、移ろうクライアントの要求まで、誰もが混乱を乗り越えようとしている。一つのプレーヤーの衰退というのは魅力的なショーかもしれないが、的確な洞察からは程遠い。

誰が成功して誰が失敗したか、誰が破滅するかといったことをリンクトインに書くのは、そろそろ止めるべきなのかもしれない。統合的で、クリエイティブで、効果的で、人間味のある未来にふさわしいモデルを、私たちが業界としてどのように構築するか議論する方が生産的だろう。

ここ数年で私たちが学んだことが一つあるとすれば、それは誰も決定的な戦略を持ってなどいないということだ。WPPも、ピュブリシスも、アクセンチュアも、マッキンゼーでさえも。


ドナルド・ピリー氏はWPP、オムニコム、ピュブリシス・グループの元プランニングパートナーとして20年以上の経験を持ち、現在はザ・エフェクティブネス・パートナーシップ(The Effectiveness Partnership)でコンサルタントを務める。

 
 

 

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