David Blecken
2017年10月17日

SNS誕生以前の、コンテンツマーケティング

良質のブランドコンテンツは、時代を経ても色褪せない。人気ブランド「シュプリーム」が20年以上前に制作したビデオの価値を、改めて吟味する。

ストリートウェアブランド「シュプリーム(Supreme)」が株式の半分を投資ファンドのカーライル・グループに売却していたことが明らかになり、先週、その市場価値は10億米ドル(約1120億円)に達するという評価が出た。

1994年にニューヨークのアンダーグラウンドで誕生、以来絶大な波及力と若者文化への影響力を発揮してきた同ブランド。今や社会の様々な層で認知されているにもかかわらず、依然そのカリスマ性は強烈だ。独自性と控えめなアピール、そして口コミの価値 −− これらを常に十二分に理解してきたブランドと言えるだろう。もちろん、日本はその重要市場の1つだ。

大きな魅力となった個性を保ちつつ、より身近なブランドとして進化を遂げようとするシュプリームの初期のビデオ作品は、今改めて見直す意義がある。「ラブ・シュプリーム(A Love Supreme)」は映画監督のトム・キャンベルが1995年にニューヨークで制作。スケートボードをテーマに、ジョン・コルトレーンの最高作とも言われる同名曲がバックに使用されている。

このショートフィルムは誰もが気に入るような作風ではないだろうし、そうした意図もない。だがターゲットオーディエンスにとっては、制作された当時 −− 現在、我々がコンテンツマーケティングを拡散する手段として信頼をおくフェイスブックや他のプラットフォームが登場する10年以上前 −− と変わらぬ新鮮さを放つに違いない。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

提供:
Campaign Japan

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