Ryoko Tasaki
2024年12月18日

世界マーケティング短信:エッセンス・メディアコムCEOが退任

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

エッセンス・メディアコムのニック・ローソンCEO
エッセンス・メディアコムのニック・ローソンCEO

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

ローソン氏、34年勤めたエッセンス・メディアコムを去る

エッセンス・メディアコム(EssenceMediacom)のCEOであるニック・ローソン氏が、年末で同社を去る。後任が任命されるまでは、グローバルCOOのフランシス・ラルストン・グッド氏が指揮する。

ローソン氏はリンクトイン(LinkedIn)に、このように投稿している。「ありのままの自分でいさせてくれ、常にサポートしてくれる会社に入社しました。これが、私が長く勤め続けた主な理由です」。入社当時は38番目の従業員だったが、今では90カ国で1万人近くの従業員を抱えており、「数十年にわたり、エージェンシー内で考え得るほぼ全ての役職に就く機会に恵まれ、そのすべての瞬間を愛してきました。私たちが築き上げてきた会社を、とても誇りに思っています」と振り返る。

ローソン氏は1991年、メディアプランナーとしてメディアコムに入社し、2006年に英国CEO、2008年にEMEA(欧州・中東・アフリカ)CEO、2019年にワールドワイドCOOに就任。2022年にメディアコムとエッセンスの合併に先立ち、CEO就任が発表された。

博報堂と博報堂DYメディアパートナーズを統合

博報堂と博報堂DYメディアパートナーズが来年4月に統合する。博報堂を承継企業とする吸収分割で、新社名は博報堂となる。

国内におけるマーケティングビジネスは、フルファネルでの対応が必須となってきている。企業のニーズ拡大に対応するにはシームレスな提供機能の強化が重要であることから、統合によって機能を集約し、高度化を進める。また、メディア対応機能が一体となることで、販売力や提案力の強化を目指す。

幸せの溢れるフィジー、パスポート関連業務は「ちょっと大変」

フィジー政府観光局が新しいキャンペーン動画「ハッピーパスポート」を公開した。フィジーは自然に幸せをもたらす場所だが、出入国審査官の視点では「ちょっとした問題」があるという。フィジーを訪れると思わず笑顔になり、パスポート写真とは違った表情になってしまうため、パスポートの確認に苦労するのだとか。手掛けたのはハヴァス(Havas)。

パスポート写真を撮影するカメラマンの動画も、併せて公開している。思わず笑顔になってしまい、無表情を保つことが難しく、写真が却下されてしまうことを嘆いたものだ。


クリスマスの包装紙で保護犬に貢献 シンガポール

クリスマスを目前に、シンガポールの動物福祉団体「Save Our Street Dogs(SOSD)」とマッキャン・シンガポール(McCann Singapore)がラッピングペーパーのキャンペーンを展開した。保護犬が印刷された包装紙「Yapping Paper」は、動物病院や店舗などで今月16日から販売されている。

マッキャンのクリエイティブディレクター、ダン・パーメンター氏は「無駄になる包装材を、世界に貢献できるものに変えています」とコメント。「この素晴らしい目的のために寄付金を集めると同時に、愛情あふれる家庭を探す本物の犬を紹介していることを誇りに思います」。

【お知らせ】

今号が2024年最後の「世界マーケティング短信」となります。年明けは、1月10日より配信いたします。

皆さまには日ごろよりご愛読いただき、大変感謝しております。どうか良いお年をお迎えください。2025年も皆さまのさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

2 日前

世界マーケティング短信:ジャック・モートンが都内に拠点

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

AIはあなたのブランドをどう考えているのか? 新たな測定法「シェア・オブ・モデル」

デジタルマーケティングの世界に転機が訪れている。鍵を握るのは、検索エンジンに依存しない全く新しいアプローチ、「シェア・オブ・モデル」だ。

3 日前

「ル・モンド」のアジア市場戦略

フランスの「ル・モンド」紙が発行する週刊誌「M ル・マガジン・デュ・モンド」が英語版を創刊した。狙うのは日本や韓国、中国、シンガポールといったアジアの主要市場だ。

3 日前

ジェンダー平等、矢面に立たされるマーケティング業界

ジェンダー平等は皆で取り組むべき課題にもかかわらず、マーケティング業界がしわ寄せを一手に引き受けている。政府、ビジネス、文化など社会を構成するあらゆるものが生み出す不均衡の問題を、マーケティングが単独で解消することはできない。