Ryoko Tasaki
2020年1月10日

世界マーケティング短信:ブレグジットまでのカウントダウン

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

カイリー・ミノーグが出演する豪州の観光誘致CM
カイリー・ミノーグが出演する豪州の観光誘致CM

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
 

豪州の観光誘致キャンペーンが一時停止に

エリザベス女王による英連邦に向けたクリスマスメッセージがテレビで放送される直前に、豪州政府による観光誘致CMが流された。欧州離脱をめぐる騒動に疲れた英国人に、豪州での休暇を薦めるもので、同国出身の歌手カイリー・ミノーグが美しい自然や、人々の助け合いの精神を紹介していく。制作はM&Cサーチ。

だが同国では現在、深刻な森林火災が猛威を振るっており、鎮火の見通しも立っていない。観光地の多くは火災の影響を受けていないというが、それでも広告の展開時期としてはタイミングが悪く、キャンペーンは一時停止となった。

S4キャピタル、デジタルエージェンシーを買収

マーティン・ソレル卿の率いるS4キャピタルが、中南米を中心に展開するデジタルエージェンシー「サーカス・マーケティング」(本社:メキシコシティ―)を買収する。コンテンツの豊富な経験や知識、ならびに中南米地域におけるプレゼンスを高めることが目的とされる。ソレル卿はリリース内で、サーカス・マーケティイングは「純粋にデジタルコンテンツに焦点を当てるという、我々のビジョンを共有している」とコメントしている。

CESで見つけた、画期的な製品

米ラスベガスで、家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が1月7日から本日まで開催中だ。5G(第5世代移動通信システム)や人工知能(AI)に関連した製品や、ソニーの電気自動車などが話題となっている。この中でCampaignが興味深いと感じたものの一つが、P&Gによるスマートなおむつ「Lumi」だ。おむつの背面にセンサーを取り付けると、睡眠時間や湿度、おむつ交換のタイミングなどをモニタリングし、成長期に合わせたアドバイスもしてくれるというもの。その他の製品についてはこちら(英語)から。

AIが、効果的な広告を予測し最適化

同じくCESで、IBMがWatson(同社のAI)を搭載した広告評価ツール「アドバタイジング・アクセレレータ―(Advertising Accelerator)」を発表した。ユーザーから共感を得られやすいクリエイティブの組み合わせを予測したり、新たなオーディエンスのセグメントを検出することで、より高いエンゲージメントを促していく。

CMOの“C”の意味とは?

チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)による鼎談がCESにて実施され、役職名にチーフ(Chief)の“C”がつくことの意味について、登壇者たちが語り合った。「チーフというよりは、コラボレーター(collaborator)のようなもの」と発言したのはダイアナ・オブライエン氏(デロイトCMO)。「チームのメンバーたちに貢献する必要があります。自分の部門内で、必要とされる価値をもたらすことができればよいのだと思っていましたが、それでは機能しないのです」

デボラ・ワール氏(ゼネラルモーターズCMO)も、CMOとは「献身的(contributing)なマーケティングオフィサー」であると説く。「キャリアを築いてきて、ようやくチーフになれるのだと思っていました。しかし実際にはその逆で、リーダーの役割だと思っていた仕事よりも、電話でさまざまな人と話している時間の方が長いのです」。成長やディスラプション、高い価値を生み出すためのインスピレーションを与えることが、CMOの役割だという。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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