Ryoko Tasaki
2022年12月23日

世界マーケティング短信:広告費の順調な成長、マスク氏の進退

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:広告費の順調な成長、マスク氏の進退

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
 

今年の世界の広告費成長率は8.0% 電通グループ調べ

電通グループが、年2回実施している「世界の広告費成長率予測」の最新版を発表した。2022~2024年の予測を更新し、2025年の新規予測を行ったもので、2022年の世界の広告費成長率は8.0%(前回7月の予測から0.7ポイント下方修正)、市場規模は7,136億米ドルとなった。デジタル広告費の成長率は13.7%で、総広告費の55.3%を占める。2023年の広告費成長率は3.8%、その後も4.8%(2024年)、4.5%(2025年)と順調に成長すると予測する。

日本の広告市場の成長率は2022年が3.6%(前回7月の予測から2.8ポイント上方修正)で、2023年も1.5%の成長を見込む。デジタル広告が引き続き成長を牽引する他、人の移動を伴う経済活動の活発化に伴って「交通・レジャー」や「外食・各種サービス」などで出稿増が期待される。
 

ツイッターのアカウント凍結と解除、CEO退任表明

ツイッターが先日、著名なジャーナリストのアカウントを複数凍結した。リアルタイムで位置情報をさらす行為は安全を脅かすため利用規約に反する、というのが理由で、このことを報じた複数のジャーナリストもアカウントを凍結されたとみられる。

これに対し、米国PR協会(PRSA)が「プラットフォームの使用を誰に許可するか、決める権利はツイッターにある。だが今日、言論の自由に対する彼らの姿勢が試されている」とツイート。「ジャーナリストは、権力のある立場の人に批判的であったとしても、正確な報道を共有したことで罰せられるべきではない」と続けた。ワシントン・ポストやCNN、ニューヨーク・タイムズ、プロフェッショナルジャーナリスト協会(SPJ)なども、ツイッター社の動きを批判した。

その後、イーロン・マスク氏はツイッター上で、これらのアカウント凍結を今すぐ解除すべきか、あるいは7日後に解除すべきかを問うユーザー投票を実施。その結果を受けて、ほとんどのアカウントは凍結が解除された。

さらにマスク氏は自身の進退を問う投票もツイッター上で実施した。「退くべき」という回答が過半数を占めたため、「この仕事を引き受けるほどの愚か者が見つかれば、CEOを辞任する」と表明している。


スーパーボウル、スポンサーの顔ぶれに変化

スポットCM枠が世界一高額といわれるスーパーボウル(アメリカンフットボールの優勝決定戦)が、2023年は2月12日に開催される。フォックス社によると、今回の広告枠は、9月時点で広告在庫の95%以上が売れたという。

一方で、同大会のハーフタイムショーのスポンサーを約10年間務めてきたペプシが今回から降り、代わりにアップルミュージックが新しいスポンサーに決定した。大会の独占スポンサー契約を33年間結んできたアンハイザー・ブッシュ・インベブも、今回は契約を更新せず、モルソン・クアーズのような競合他社にも門戸が開かれた。楽天グループの米国法人は再びCM出稿を決めている。
 

休暇期間のジェンダー不平等を問う アリエール

インド市場で平等な家事分担を訴えるキャンペーン「#ShareTheLoad」を展開してきたP&Gの洗剤ブランド「アリエール」が、今度は休暇シーズン中の家事負担の不平等さに注目した。

ホームパーティーの後、楽しかった時間の余韻に浸る夫と、片付けや子どもの世話に忙しい妻。パーティー中に撮影した写真に写る妻は、ゲストをもてなす姿ばかりであることに、ようやく夫は気付く。


今号が、2022年最後の「世界マーケティング短信」となります。年明けは、1月6日より配信いたします。

皆さまには日ごろよりご愛読いただき、大変感謝しております。どうか良いお年をお迎えください。2023年も皆さまのさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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