David Blecken
2017年6月26日

快進撃を続ける「重力猫」

先週末で閉幕したカンヌライオンズで、日本勢の作品が相次いで受賞した。

快進撃を続ける「重力猫」

猫の重力が変化する様子を描いた、PlayStation「GRAVITY CAT 重力的眩暈子猫編」(博報堂)が、カンヌライオンズでさらに4つの賞を受賞。これにより日本勢は38つの賞を獲得することとなった。日本の賞獲得数は、アジアの参加国の中でオーストラリア(112ライオン獲得)、インド(42ライオン獲得)に次ぐ第3位。

「GRAVITY CAT」は土曜日、フィルム部門でシルバーを、フィルムクラフト部門でゴールド、シルバー、ブロンズを受賞した。東北新社が制作したこの作品は先週、サイバー部門でブロンズも受賞している。



日本勢は他にも、瓦メーカーである鶴弥の「耐える男たち」(アサツーディ・ケイ)がフィルム部門シルバーを、名刺管理サービスを提供するSansanの「Eight: Business Cards」(もり、ドリル、DELTRO)が同ブロンズを獲得した。

デジタルクラフト部門、ラジオ部門、クリエイティブエフェクティブネス部門、インテグレーテッド部門、チタニウム部門での、日本作品の受賞は無かった。カンヌライオンズで最も名誉あるチタニウム部門は、米国勢が独占。グランプリは、今も話題のステート・ストリート「Fearless Girl」(マッキャン・ニューヨーク)が獲得した。

予想外だったのは、豪州の交通安全キャンペーン「Meet Graham」(クレメンガーBBDO)。チタニウム部門の有力候補と目されていたが、1985年に制作された禁煙啓発広告に酷似しているとのことで受賞を逃した。

受賞された方々には、祝辞を贈りたい。そして、カンヌで日焼けした肌も落ち着いてくる頃になると、アワードに作品をエントリーすることの価値についての議論がしばらく続くだろう。ピュブリシスは先日、賞へのエントリーを今後1年間行わないと発表し、世間を驚かせたばかりだ。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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