Ryoko Tasaki
2023年7月28日

世界マーケティング短信:ツイッターの名称とロゴが変更に

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

世界マーケティング短信:ツイッターの名称とロゴが変更に

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。

ブランド名は「X」に変更、青い鳥のロゴも廃止に

ツイッター社がX社に合併されたことが4月に明らかになったが、このたびイーロン・マスク氏はツイッターというブランド名、そしてシンボルだった青い鳥のロゴを変更することを公表した。「十分に良いデザインがあれば翌日公開する」、そして「間もなくツイッターブランドにさよならを告げ、徐々にすべての鳥とお別れすることになるだろう」と投稿。その後、黒地に白い線で「X」と書かれた新アイコンが採用され、画面上で置き換わっている。

ロゴやブランド名の変更をめぐり、国内でもさまざまな話題が飛び交っている。まず、日本法人の名称だ。ロックバンド「X JAPAN」のYoshikiは、今回もX JAPANは「商標登録してあると思う」と反応した。

さらにツイッターに投稿することを指す「ツイートする」や、ツイート内容を再び投稿する「リツイート」という表現はどうなるのか、企業の「公式ツイッター」「ツイッター担当 中の人」はそれぞれ「公式X」「X担当 中の人」になるのかといった疑問も残る。ちなみに「ツイートする」は「X’s(エックセズ)」になるとマスク氏が回答したが、リツイートについては決まっておらず、定着にはまだ時間がかかりそうだ。

ユーチューブ広告、収益減少から回復

グーグルの親会社である米アルファベット社が、第2四半期の決算を発表した。全体の売上高は746億米ドル(前年同期比7.0%増)、純利益は184億米ドル(同14.7%増)だった。

ユーチューブ広告は77億米ドル(同4.4%増)で、前期からは14.5%増えた。2022年第3四半期(7~9月)から3四半期連続で前年同期を下回っていたが、今回でプラスに戻った。検索連動広告の売上高は426億米ドル(同4.7%増)、広告事業全体では581億米ドル(同3.3%増)だった。

グーグルの「その他」の売上は81億米ドルで、前年同期比24.2%増と大きく伸びた。「その他」はユーチューブの広告以外での売上で、特にサブスクリプション事業が成長の大きな原動力となった。だがサブスクリプションサービスによってコストも増えており、売上原価は前年同期比6.0%増の319億米ドルとなっている。

メタ社も広告が好調で増収増益

メタ社も第2四半期の決算を発表した。全体での売上高は320億米ドル(前年同期比11.0%増)で純利益は78億米ドル(同16.4%増)、そのうち広告収入は315億米ドル(同11.9%増)だった。

同社はAIを活用して広告事業を効率化する「アドバンテージプラス」に投資しており、これがEコマースや小売業、D2Cブランド、消費財ブランドなど広告主を惹きつけている。一方、この秋にVRヘッドセット「クエスト3」の発売が予定されているが、リアリティーラボ(メタバース部門)の売上高は2億7,600万米ドル(同38.9%減)、損失は37億米ドルに達した。

アクセンチュア、ベクトル傘下のシグナルを買収

アクセンチュアが、ベクトル子会社のシグナルを買収すると発表した。ベクトルは国内最大のPR会社で、シグナルはパブリックリレーションズの視点からソーシャルメディア、インフルエンサーマーケティング、広告運用、市場調査、ウェブサイト構築などを組み合わせた統合マーケティングサービスを展開している。

シグナルの専門性とアクセンチュアのマーケティングサービスを組み合わせることで、企業のマーケティング変革に求められる機能を網羅したサービスを提供できる体制を強化し、クライアントのマーケティングへの投資対効果の最大化を目指す。シグナルの約100名の社員は、アクセンチュアのマーケティングオペレーションズチームに加わることとなる。

アクセンチュア代表取締役社長の江川昌史氏は、クライアントの財務指標領域のみならず非財務指標領域についても包括的な価値を提供する「360°バリュー」を重要な戦略と位置付け、その構成要素の一つに「優れた顧客体験」の創出を挙げる。「シグナルが持つマーケティング領域での高い専門性は、この要素で確固たる競争優位を築く上で欠かすことができません。シグナルと共に、比類なき顧客体験を創出できる体制の強化を図り、ひいてはお客さまの全社変革のさらなる加速に貢献してまいります」。

グレイワールドワイド、COOに岡咲匡彦氏

グレイワールドワイドのチーフ・オペレーティング・オフィサーに、岡咲匡彦氏が就任した。グレイグローバルのリーダーと連携してボーダーレス化を推進し、顧客にクロスプラットフォーム・ソリューションの提供を促進させていく。同氏は2022年、TBWA HAKUHODOからグレイワールドワイドに最高ビジネス責任者として入社した。

岡咲氏は今回の就任にあたり、「この1年半、ここグレイで気鋭のクリエイティブな人々と仕事ができたことは本当に光栄でした」と抱負を述べる。「私たちが打ち出した戦略とプランは確かなものでしたが、それを実現するのは人材です。その結果、私たちは素晴らしい仕事を成し遂げ、既存および新規のクライアントと新たな関係を築くことができました。私たちはこれをさらに加速させ、ブランドのために素晴らしい仕事をし、私たち全員が誇りに思える仕事をするつもりです」。

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

3 日前

世界マーケティング短信:Cookie廃止の延期、テスラの人員削減

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

4 日前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

2024年4月23日

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

2024年4月23日

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。