Gideon Spanier
2020年5月08日

WPP、CEO報酬と役員会メンバーを公表

前CEOのマーティン・ソレル卿には、長期インセンティブとして51万7000ポンド(約7億円)が支払われた。

WPPのマーク・リードCEO
WPPのマーク・リードCEO

WPPは年次報告書で、マーク・リードCEOに昨年の年収としておよそ260万ポンド(約3億5000万円)が支払われたと発表した。

年収に含まれるのは97万5000ポンドの給与、130万ポンドの短期インセンティブ、7万1000ポンドの長期インセンティブなど。

2019年のWPPの純売上高は3年連続で減少し、前年比1.6%減。だが、株価は8.5ポンドから10ポンド超に。今年は新型コロナウイルスの影響で再び大きく落ち込んでいる(5月8日時点で約6ポンド)。

リード氏の昨年の短期インセンティブは最大額の55%で、長期インセンティブは15%に過ぎなかった。WPPの収益と株価が5年間にわたって下落していることによる。

2018年4月まで32年間CEOを務めたマーティン・ソレル卿は、いまだに長期インセンティブを受け取っており、51万7000ポンド相当の株式報酬を得た。

また、リード氏がグループの経営改革のために設置した役員会のメンバーを初めて公表。ソレル卿がCEOを務めていた時には役員会や取締役会は設けられていなかった。

年次報告書は「WPPの役員会は責任を持って会社を牽引し、施策を実行していく」とし、メンバーがグループの中核企業において先導的・中心的役割を担っていくとしている。

リード氏以外の役員会のメンバーは以下の通り。

  • ジョン・ロジャース(WPP CFO<最高財務責任者>)
  • アジャズ・アーメッド(AKQA CEO)
  • ステファン・アラン(メディアコム ワールドワイドチェアマン兼CEO)
  • ジャッキ・カニー(WPP CPO<最高人材活用責任者>)
  • ジョン・クック(VMLY&R グローバルCEO)
  • メル・エドワーズ(ワンダーマントンプソン グローバルCEO)
  • ニック・エメリー(マインドシェア グローバルCEO)
  • ローレン・エジキール(WPP CMO・CGO<最高マーケティング・成長責任者>)
  • リチャード・グラッソン(ホガース グローバルCEO)
  • アンドレア・ハリス(WPP 主任顧問)
  • マイケル・ハウストン(グレイ グローバルCEO)
  • ドナ・インペラート(BCW グローバルCEO)
  • トビー・ジェナー(ウェイブメーカー グローバルCEO)
  • クリスチャン・ジュール(グループM グローバルCEO)
  • リンゼイ・パティソン(WPP CCO<最高クライアント責任者>)
  • ステファン・プレトリウス(WPP CTO<最高技術責任者>)
  • アンドリュー・スコット(WPP COO<最高執行責任者>)
  • ジョン・セイファート(オグルヴィ グローバルCEO)

(文:ギデオン・スパニエ 翻訳・編集:水野龍哉)

 

提供:
Campaign UK
タグ

関連する記事

併せて読みたい

19 時間前

大阪・関西万博 日本との関係拡大・強化の好機に

大阪・関西万博の開幕まで1年弱。日本国内では依然、開催の是非について賛否両論が喧しい。それでも「参加は国や企業にとって大きな好機」 −− エデルマン・ジャパン社長がその理由を綴る。

1 日前

エージェンシー・レポートカード2023:カラ

改善の兆しはみられたものの、親会社の組織再編の影響によって、2023年は難しい舵取りを迫られたカラ(Carat)。不安定な状況に直面しつつも、成長を維持した。

2 日前

私たちは皆、持続可能性を前進させる責任を負っている

持続可能性における広告の重要性について記した書籍の共著者マット・ボーン氏とセバスチャン・マンデン氏は2024年のアースデイに先立ち、立ち止まっている場合ではないと警告する。

2024年4月19日

世界マーケティング短信: オープンAI、アジア初の拠点を都内に設立

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。