David Blecken
2017年1月30日

割り勘アプリ「Paymo」、テーブルトリックで鮮烈なデビュー

PARTYが制作した小気味よいショートフィルムでは、面倒な割り勘をすっきり解決する方法が紹介されている。

2017年1月、アップルペイやオリガミペイに続き、Paymo(ペイモ)が日本のモバイル決済市場に新たに加わった。Paymoはグループで飲食した際の割り勘の手間を解消できる点を強調して、差別化を図っている。

サービスを提供するのは、東京を拠点とするAnyPay社だ。サービス開始に際し、「paymo Table Trick」と題したショートフィルムをリリース。この動画を手掛けたのは、クリエイティブラボPARTYだ。ソニーやスバルのプロモーションに出演した注目のモデル、川口カノン氏が主役として登場し、アップビートなオリジナル・サウンドトラックに乗せてストーリーが展開する。撮影はほぼワンカットで行われたようで、Paymoを使って流れるように手際よく割り勘をする様子が映し出される。主人公はデート、女子会、合コンと次々に場所を変え、食事の載ったテーブルからPaymoのロゴ入りテーブルクロスをさっと引き抜くトリックを披露し、行く先々で皆を驚かせる。

Paymoのキャッチフレーズは「わりかんを思い出に」。PARTYで東京の広報を担当するマンディ・ワン氏によれば、ディナーやカラオケで一人がまとめて支払った後に参加者から集金する際の、手間や気まずさを解消することで、日本でのキャッシュレス決済サービスの利用を促進することがPaymoの狙いだという。同アプリで、飲食したグループ内の連絡や清算などを集約し、立て替えた割り勘代を簡単に回収することができる。受け取った支払はポイントとして溜めることもできるし、ユーザーの銀行口座に直接入金することもできる。

コアターゲットは、モバイル決済を使った経験があり、友人や同僚と割り勘をする機会が多い20~30代だ。利用者登録の簡単さがセールスポイントで、運転免許証など公的な身分証明書の提示は必要無い。名前、ユーザーID、メールアドレス、クレジットカード番号だけで登録が完了する。「普及が徐々に加速しています」とワン氏。AnyPayは、Paymoサービス開始1年内に700万ダウンロードの達成を目標にしている。

NTTドコモが日本でモバイル決済サービスを開始したのは、10年以上前のことだ。日本はテクノロジー先進国であるにも関わらず、モバイル決済はこれまで、普及がそれほど進んでこなかった。しかし、近年では急速に利用が拡大している。ブルームバーグによると、日本でキャッシュレス決済に対応する端末数は200万台近くに上り、レストランやカフェがその大半を占めるという。

Paymoを提供するAnyPay(本社:渋谷区)は、ニュースキュレーションアプリ「Gunosy」の共同創業者であった木村新司氏(現在はシンガポール在住)が設立した。同社はPaymoに先立ち、小規模ビジネス向けのオンライン決済プラットフォーム「AnyPay」も立ち上げている。なお、この記事で取り上げたPaymoは、同名のプロジェクト・マネジメント・アプリとは何ら関係がないことを申し添えておく。

Campaignの視点:
映像も確かに面白いが、この動画で一番大切な要素は、キャッチーなオリジナルソングだろう。歌詞を聞けば、Paymoがどんなアプリなのかが明確に伝わってくる。フェイスブックのようなプラットフォームでは音声なしで視聴されることが多いのが難点だが、この動画には字幕が付いている。著名なセレブは登場しないが、その点はまったく心配に及ばないだろう。全体としてPaymoのターゲット層に響く、絶妙な仕上がりになっている。ただ、この動画の主人公やシチュエーションから見て、必然的に男性よりも女性ユーザーへのアピール度が高いと思われる。男性目線のバージョンもあると良いだろう。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)

この記事は、AnyPayは都内に本社を構えていること、設立者はシンガポール在住であることを明確にするため、更新された。

提供:
Campaign Japan

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