David Blecken
2016年10月25日

日産自動車が、日本の日常を支える職人を主役に

今の日本をつくっているのは、熟練の技と秘めた情熱を携えた現場のプロフェッショナルたちだ。ドキュメンタリー方式のキャンペーンが、そんな彼らにスポットライトを当てる。

日産自動車はTBWA\HAKUHODOと組み、普段人々が目にすることのない、現場の職人たちによる見事な技を取り上げたキャンペーンを展開した。日本の現場を支えるプロフェッショナルとのつながりを深めたい狙いがある。

主役は「CARAVANIST(キャラバニスト)」。決して道路の真ん中を時速30キロメートルでのろのろ進むキャラバン隊のことではない。日産自動車の商用バンNV350「キャラバン」を愛用する、秀逸な技を備えた日本の職人たちのことだ。

このキャンペーンでは、11人のプロフェッショナルが現場で働く様子をショートフィルムで紹介している。ビルの窓清掃のような仕事は日常の中で見過ごされがちだが、この動画を見れば、改めてその高度な技術に気付かされる。職人たちの神業は、時に芸術的ですらある。ユーチューブでの視聴はこれまでに100万回を超え、評判は上々だ。

「キャラバニスト」の特設ウェブサイト には、一人ひとりの職人を深く掘り下げたインタビュー記事も掲載。さらに、我こそはという職人たちに向けて、取材・撮影および同ウェブサイト掲載への応募を呼び掛けている。プロモーションの究極のゴールは「キャラバン」の販売拡大ではあるが、日産自動車は「人材不足や高齢化、次世代への技能継承問題といった壁に直面している建築業界の魅力を、次世代に伝える役割を果たせられれば」としている。

Campaignの視点:人目につかないところで日本の日常を支えるプロフェッショナルに光を当てたプラットフォームは、文句なしに素晴らしい。「キャラバニスト」と称する日本の職人たちは(実際にNV350「キャラバン」に乗って現場を駆け巡っているかどうかはさておき)、実に魂のこもった仕事をしている。彼らは、世間から認められることを求めたりはしない。しかし、日本の当たり前の日常を支える「縁の下の力持ち」たちは、間違いなく称賛に値する。今後も彼らの哲学や仕事観を取材し続けていくことでつながりが深まり、単に動画を公開するよりもずっと長くキャンペーンの効果が続くだろう。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

電通、クリエイティブの新指針「ブレイブ・ニューノーマル」

2月22日から25日にかけて開催されたバーチャルイベント「スパイクスアジア × Campaign」。電通マクギャリーボウエンのグローバルプレジデントを務めるマーリー・ハイミー氏は、ニューノーマル時代のクリエイティブで鍵となる5つの要素を挙げた。

1 日前

エージェンシー・レポートカード2020:アジア主要エージェンシーの査定

年に1度、アジア太平洋地域(APAC)の主要エージェンシーを総合的に評価するCampaign Asia-Pacificの「エージェンシー・レポートカード」。18回目となる今年はどのような結果が出たのだろうか。

1 日前

エージェンシー・レポートカード2020:博報堂

博報堂は売上減など深刻な課題に直面しているが、働き方改革を進め、コミュニティー、サステナビリティー、イノベーションへの投資を強化している。

1 日前

エージェンシー・レポートカード2020:電通

電通のスケールの大きさと企業能力は、アジア太平洋地域(APAC)で依然強い存在感を放つ。しかし、「シームレス化」という課題はまだ志半ばだ。