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2018年4月12日

世界マーケティング短信:ソレル卿への調査、職場での飲酒、アンバランスなデジタル広告

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

酒を酌み交わすことは、広告業界のカルチャーの一部であり続けてきた。だが, この慣習を変えるべき時期に来ているとWPPは考えている。(画像:1960年代のニューヨークの広告業界を描いたドラマ『マッドメン』より)
酒を酌み交わすことは、広告業界のカルチャーの一部であり続けてきた。だが, この慣習を変えるべき時期に来ているとWPPは考えている。(画像:1960年代のニューヨークの広告業界を描いたドラマ『マッドメン』より)

ソレル卿への調査、来週にも完了の見通し

WPPのサー・マーティン・ソレル創業者兼CEOの不正行為疑惑について、来週にも調査がまとまる見通しだとロイターが報じた。またタイムズ紙によると、WPPは窮地に立たされているソレル氏の辞任も視野に入れ、後任者の候補を挙げているとのこと。後任者の候補の名前は明かされていない。

グーグルの動向を注視するフェイスブック

グーグル(ユーチューブを含む)のプラットフォームでユーザーが費やす時間は増加しており、一方でフェイスブックでは減少していることが、ニールセンが今年1月に発表したデータで明らかになった。グーグルは27.4%(3%増)、フェイスブックは16.3%(2%減)。グーグルのプラットフォーム上で費やす時間の半分はユーチューブが占めているという。人々のフェイスブックへの関心が下がる中、インスタグラム(フェイスブック傘下でもっとも素晴らしい事業であることは疑いようがない)は7%増と好調だ。

インスタグラムといえば、毎月4.55億人ものユーザー数を誇る中国の写真加工アプリ「Meitu(美图)」が、今後は写真共有プラットフォームへと移行していく予定だと今週発表した。Meituは、写真加工作業が煩雑だと感じた吴欣鸿(ウ・シンホン)氏が2008年に立ち上げたアプリで、誰でも簡単に写真を加工することができる。

グーグルとフェイスブックの複占状態にあるデジタル広告、調査へ

フェイスブックに関するニュースといえば、同社の自主規制には限界があると、米上院議員がザッカーバーグCEOに語ったことが話題となった。一方で英国では、デジタル広告市場がフェイスブックとグーグルの複占状態になっており、企業と生活者に不利益をもたらしているのではないか、と貴族院の議員たちが調査を求めている。

英国の広告主を代表するISBA(Incorporated Society of British Advertisers)のフィル・スミス事務局長は、「現在の状況は広告主にとって、デジタルメディアの選択肢を狭めているように感じる」と、貴族院のコミュニケーション委員会にて発言。生活者たちにも負の影響を与えかねないとの懸念も示した。デジタルの世界はこれまで不透明さの悪名が高かったが、透明性の徹底に向けて一歩動き出した。

飲酒を禁止したエージェンシー、容認したエージェンシー

欧米のエージェンシーは、アルコールがクリエイティビティーを刺激するとして、社内にバーを設置するなど寛容な姿勢をとってきた。だがWPPは執務エリアでの飲酒を禁止し、18時以降は2時間を上限に、決められたエリア内での飲酒を認めた。

競合他社はこれを、柔軟な社風を打ち出すチャンスととらえている。オムニコムは、このような制約を設けていないと訴求。ロンドンを拠点とするエージェンシー「マザー」はさらに一歩踏み込んで、米国オフィスの受付エリアにあるバーに求職者たちを歓迎し、ビールを振る舞うと発表した。我々はオフィスで日常的に飲酒することを勧めているわけではない。だがエージェンシーは楽しい職場であるべきだ。何かを禁止するような雰囲気では、この業界が切望するクリエイティブな人材を引き付けることができないだろう。

アップルの広告に着想を得た作品が、米国の銃規制を呼びかける

今週もっとも印象に残った広告は、「Shot on iPhone(iPhoneで撮影)」キャンペーンに着想を得た作品だろう。制作したのはスクール・オブ・ビジュアル・アーツ(ニューヨーク)の学生2名で、目を覆うような銃乱射の現場写真に「Shot with AR-15(AR-15で銃撃を受けた)」というキャッチフレーズが添えられている(AR-15は近年、数々の乱射事件で用いられたライフル銃)。広告のみで銃擁護派の考え方をすぐに変えることはできないだろうが、人々に考える機会を与えるきっかけとなるだろう。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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