Ryoko Tasaki
2023年6月23日

ポテトチップスのおまけは成長するNFT カルビー

ポテトチップスを購入し、パッケージをアプリでスキャンするたびに、じゃがいものキャラクターが成長していく。カルビーがこの春、NFTを活用したキャンペーンを実施した。

登録のたびにポテトNFTが成長していく
登録のたびにポテトNFTが成長していく

カルビーは、博報堂、クリプトゲームス、データゲートウェイと共に、ポテトチップスのおまけとしてNFT(非代替性トークン)を配布するキャンペーンを4月中旬から5月末まで実施した。商品を購入するごとに、NFTのキャラクターが段階的に成長していく仕組みになっている。

もともとカルビーでは2020年9月から、購入者とのコミュニケーション施策としてスマートフォンアプリ「ルビープログラム」を導入している。このアプリではパッケージの廃棄時の嵩を減らすため、対象商品のパッケージを小さく折りたたんでスキャンするとポイントが貯まり、商品などと交換できる。また2022年7月にはカルビー、博報堂、クリプトゲームスが、農業体験ゲーム上でNFT施策を実施していた。

今回のキャンペーンでは、対象商品を購入すると、おまけとして「ポテトNFT」がついてくる。折りたたんだパッケージをアプリに登録すると、そのたびにポテトNFTが成長していき、5回登録すると架空の世界「じゃがバース」のキャラクターを獲得できる。

NFTをキャンペーンに活用した理由について、博報堂ミライの事業室 佐野拓海氏は「NFTはユーザーの手元に残り続けるものです。NFTを配布することで、商品購入後もユーザーとの関係性を、NFTを通して築いていけるのではないかと考えました」と説明する。

キャンペーン期間中は、キャラクターを育てるために何度も商品を購入するユーザーや、アプリのアクティブユーザーが増加した。成長の過程をSNSに投稿するユーザーもみられた。

また、カルビーでは商品に使われたじゃがいもの品種、生産者、地区などを検索できるサービスを以前から行っているが、今回のキャンペーンではじゃがいもの品種をキャラクター化したことから「素材への興味向上の効果もあったと感じています」(佐野氏)。

キャンペーンはすでに終了しているが、獲得したNFTは手元に残り続ける。また「今後はNFT保有者に対して、限定体験を提供していきたいと考えています」と展望を述べた。

(文:田崎亮子)
 

提供:
Campaign Japan

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