Ryoko Tasaki
2025年3月07日

シェイクスピアの名作、ボールペン1本で書き上げる

『ロミオとジュリエット』を、ウィリアム・シェイクスピアの筆跡を再現して書き上げたのは、ロングセラーのボールペン1本だった。

仏ボールペンブランド「ビック(Bic)」が、クリスタルシリーズが75周年を迎えたことを記念して、AIを活用してシェイクスピアの筆跡を再現し、『ロミオとジュリエット』を書き上げるキャンペーンを実施した。

ビックと提携したVMLサンパウロのクリエイティブディレクター、マルセロ・フェリシオ氏によると、ビックのペンでシェイクスピアの原稿を書くというアイデアは約6年前に思いついたものの、カリグラファーとタイポグラファーにかかる費用が高額だった。だがAI技術が進歩したことで、ソフトウェアやロボットを駆使して筆跡を復元することができたのだという。

「史上最も偉大な作家の一人であるシェイクスピアへのトリビュートであると同時に、書くという行為そのものへのトリビュート」とフェリシオ氏。「手書きは知識を保つのに役立ち、創造性を刺激します。そしてAIは私たちのルーティンに役立つツールであることも、皆さんご存知のとおりです」。

3キロメートルも書けるというペンの耐久性を証明するため、1本のペンで書き上げた212ページの原稿は、リオデジャネイロの図書館に寄贈された。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign US
Topics

関連する記事

併せて読みたい

4 日前

メディア・リレーションは、PRの一部に過ぎない

メディアへの記事掲載が目標だと誤解されがちだが、事業目標の推進に測定可能な形で貢献したかを問うべきだ。

4 日前

世界マーケティング短信:ネットフリックスのワーナー買収にパラマウントが対抗

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2025年12月10日

オムニコムとIPGの統合について、クライアントが問うべきこと

エージェンシーの統合がクライアントに及ぼす影響について、今こそ直接質問して明確にすべきだ。質問しなければ推測に頼ることになり、この状況下での推測は高い代償を伴う。

2025年12月09日

サントリー「-196」 CFが明かすブランド名の由来

いつも「やり過ぎ」に映る日本の広告。電車やコンビニで巨大なレモンが爆発するこの広告は、その極みだろうか……。