Robert Sawatzky
2022年5月05日

アクセンチュア ソング Droga5を残した理由

アクセンチュア インタラクティブがリブランドされて生まれた「アクセンチュア ソング」。新たな名称の意味、Droga5(ドロガファイブ)が存続していく理由を、デビッド・ドロガCEOが語る。

アクセンチュア ソング Droga5を残した理由

先月28日、アクセンチュアのマーケティングサービス事業を担うアクセンチュア インタラクティブが「アクセンチュア ソング」と改称され、傘下のエージェンシーはDroga5を除き、全てこのブランドで統合されることが発表された。

昨年、アクセンチュア インタラクティブのCEOに就いたDroga5創業者デビッド・ドロガ氏は、アクセンチュア ソングのCEO兼クリエイティブチェアマンに就任。

Campaignはドロガ氏と、アジア太平洋地域(APAC)事業を牽引する成長市場担当プレジデント、フラビアーノ・ファレイロ氏に今回の刷新が持つ意味、そしてAPACへの影響について尋ねた。


Campaign: なぜ「ソング」という名称を選んだのでしょう? 「新しい調和」を意味するのでしょうか? この名になった経緯を教えてください。

ドロガ: アクセンチュア ソングはこれからも未来志向で、社員の創造性をフル活用し、変革と刺激的なアイデアの創出を目指していきます。

歌(=ソング)は人の技やつながり、インスピレーション、経験などを永続的、かつ普遍的に伝えていきます。世界の人々を最も強く結びつける、時代を超えたコミュニケーション手段です。1曲の歌は1人の人間にインスピレーションを与えたり、何百万人の人々にとっての「聖歌」になったりする。常に瑞々しく、明るい未来を感じさせる言葉です。

アクセンチュア ソングという名は、我々の様々な側面、そしてクライアントに対して何ができるかということを表しています。社員皆が1つのコミュニティー・文化に属していると感じられる、新たなチャプターの始まりなのです。私は、社員のモチベーションを高める組織を運営していきたい。サービスの独創性を保ちつつ、我々の結束が今まで以上に強くなる機会だと捉えています。
 

Campaign:  1つのブランドの下で、より統合的な運営や活動を目指すのですか? それとも、それぞれの支社が地域性や独自性を発揮していくのですか?

ドロガ: 我々は常に統合的な運営を行ってきました。それぞれのエージェンシーブランドは強力な人材と文化を持ち、クライアントと堅固な関係を築いている。こうした点が弱まることはありません。組織の進化と活性化に伴い、我々が持つ公のブランドが1つのユニークな名前の下にポジショニングを刷新し、簡素化する。これによって市場でのさらなる機会創出と独特の価値提供が可能になるでしょう。


Campaign: ザ・モンキーズやカルマルマ(Karmara)、フィヨルド(Fjord)といったこれまでのグループを象徴する社名が消えてしまいます。これは各エージェンシーにとってメリットになるのでしょうか? また、それぞれの文化の独自性は維持できるのでしょうか?

ドロガ: そうしたブランドに敬意を表する最善の手段は、各社員に自信と文化、そして最高のチャンスを与えることです。それが今後の成功と関係性の深化につながる。どのブランドもこれまでの実績は素晴らしいものがあります。しかし今重要なのは、未来に向けた対応です。

我々が構築する関係性によって、個々のブランドに劣らないコミュニティーと経験の文化が築かれる。それを構成するのは互いの個性と敬意、コミュニケーションとチームワーク、そして最も確かなことはこれまでの実績です。最高のクオリティーを生み出すという我々の使命感は、これまで以上に強くなるでしょう。ソングに生まれ変わる利点の1つは、誰もがこの方向性を共有することです。つまり1つのまとまったチームとして、我々のニーズと熱意、ビジョンに即したアクセンチュア ソングの文化を生み出すことができる。データ、テクノロジー、戦略、メディアなど、どの分野におけるクリエイティビティーもアクセンチュア ソングというブランドの魅力の中心を担っていきます。この新たな方向性が我々全体のパワーを1つにまとめ、具現化できる。クリエイティビティーやテクノロジー、データで無限の可能性を切り開くことができるのです。そしてもちろん、個々の社員の意見も反映されていきます。

こうした責任を全うするために、いくつかのブランドは若干の時間が必要でしょう。我々は未来に向かって共に成長していく。さもなくば、個々のブランドが過去に囚われて衰えていくだけです。


Campaign: Droga5だけがブランドとして存続していく理由は何ですか? CEOとしての見解を社員に説明していますか?

ドロガ: デザインやテクノロジー、経営やコマースといった分野とは異なり、広告業界ではクライアント間に確執があることは紛れもない事実です。ですから、ソングと肩を並べるグローバルエージェンシーをもう1つ新設するか、世界で最も認知度と評価が高いグローバルエージェンシーを残すか、選択肢は2つに1つでした。Droga5を残したのは、個人的な思い入れではありません。ビジネスをよく考えた上での決断です。しかしソングとの合併が事業や社員、クライアントにとって正解ならば、今後適切な時期を見計らって実行するでしょう。


Campaign: 今回の改編で、APACでの事業にどのような効果を期待しますか?

ファレイロ: クライアントは我々のサービスの質 −− 事業成長を促し、有意義で顧客と密 −− をよく理解しています。これは引き続きソングの使命になります。日常におけるクライアントとの関係は基本的に変わりません。クライアントは今後も、自分たちがよく知る、信頼できるパートナーと協力関係を維持していきます。ただし、その責任者は以前よりも広い社内ネットワークを持っている。ソングとアクセンチュアの可能性を広げ、クライアントに新たなソリューションを提供することにより意欲的になるでしょう。

市場で共通の名称で活動することは、クライアントへのサービス提供を簡素化できるとともに、最大化できます。ニーズにより即したサービスの提供で、クライアントの成長と、複雑に変化する環境への適合を実現できる。APACに点在する我々の優れた人材を束ねることで、より強力なソリューションと成果を実現できるのです。

(文:ロバート・サワツキー 翻訳・編集:水野龍哉)

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