Ryoko Tasaki
2021年5月21日

世界マーケティング短信:コミュニケーション業界の次世代育成

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

アセファウ氏がソーシャルメディアに投稿した画像
アセファウ氏がソーシャルメディアに投稿した画像

※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。


カンヌのアカデミー、多様性に欠ける不透明人事に批判が集中

ロジャー・ハチュエル・アカデミーは、カンヌライオンズ開催期間中に40名の学生を対象に開かれる、1週間の学習プログラムだ。このプログラムを牽引してきた一人、アブラハム・アセファウ氏がディーンの職を解かれ、その経緯をソーシャルメディア上で公開したことから、カンヌライオンズに対する批判が集まっている。

同氏は、他のディーンとのパートナーシップを解消したことをカンヌ運営側に伝え、次の候補として有色人種を検討することを提案した他、同氏以外が就任する可能性を考えて候補者リストも提出。だがその後8カ月間が経過し、急に職を解かれたのだという。「カンヌライオンズで最も多様性に満ちた場」である同アカデミーのディーンが全員白人になったこと、その選考プロセスが不透明であることを同氏は指摘。またカンヌの人材&トレーニング責任者からの「考え抜かれた結果ではなく、ストレスの多い時期に下された一時しのぎの解決策であった」という謝罪の文面も公開している。

 

ロイター、デジタルジャーナリズム講座を無料提供

ロイターはフェイスブック社のジャーナリズムプロジェクトと共に、デジタルジャーナリズムの無料トレーニングコースを提供すると発表した。デジタルを活用した情報収集や検証、ソーシャルメディアでの効果的な発信方法、オンラインハラスメントへの対処方法やセルフケアなどをテーマに扱う。

「ニュースメディアがデジタルの時代にしっかりと根を生やすためには、デジタルプラットフォームを安全かつ効果的に使えるようになることが不可欠」とコメントするのは、ロイターのジーナ・チュア編集主幹。「健全なジャーナリズムの基盤づくりのため、ロイターの世界中のジャーナリストによるベストプラクティスを提供していきます」。対象地域はパキスタン、バングラデシュ、タイ、マレーシア、インドネシア、スリランカで、今後数カ月の間に他地域へも展開される予定だ。

 

博報堂、ロシアのデジタルエージェンシーを連結子会社化

博報堂が、ロシアの独立系デジタルクリエイティブエージェンシー「アイラブデジタル(Ailove Digital)」の持分を過半数取得し、連結子会社化した。2009年に創業したアイラブデジタルは、高度なテクノロジーを基盤としたデータマネジメント力、データプランニング力、デジタル施策のクリエイティブ力の高さが強み。ロシア国内のデジタルクリエイティブエージェンシーのランキングで常に上位に入っており、カンヌライオンズでの受賞実績もある。

博報堂の常務執行役員兼Hakuhodo International Unitのユニット長、伊藤俊太郎氏は「独自のデジタル環境が進展するロシアにおいて、より高度なマーケテイングソリューションを現地で活動するクライアントに提供し、クライアントの成長に貢献できると確信しています」とコメントしている。

 

IASのカントリーマネージャーに山口武氏が就任

インテグラル・アド・サイエンスの日本支社カントリーマネージャーに、山口武氏が就任した。同氏はコムスコア、日本HP、エクスペリアン・マーケティング・サービスを経て、2015年に日本支社の立ち上げメンバーとして入社。直近ではセールスディレクターとして営業活動を牽引してきた。

 

【お知らせ】
Campaign Asia-PacificとカンターによるDEI(ダイバーシティー、公平性、インクルージョン)の進捗を探る年次調査を、今年も実施しています。昨年の調査からは、性別や年齢、人種などによる不公平感が浮き彫りになりました。

アジア太平洋地域のマーケティング、広告、メディアに携わるあらゆる個人が匿名で参加でき、協力いただいた方には特典も。詳しくはこちら(英語)。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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